感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オオタコウイチロウ
0
第4章のみ。戸坂潤の〈日常性〉の原理につき、主客未分、〈いま・ここ〉との合一から空海との相似を指摘する(102頁)一方で、ただそれは「機会主義」とも似て非なるものだったという。しかしその枠組みは、50年も昔に中内敏夫によって、橋田邦彦との比較で提出されている。しかもより具体的に。中島氏は、戸坂のいう「性格」が、私的であるとともに社会的にしかあり得ない〈言語〉だと言いたようだが、その点、竹内は具体を求め、戸坂は抽象を求めたとすれば、氏が不一致を強調する両者も、本来違わない。本書、題に言語を冠するも言語不在。2024/04/06