感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
メイジトップ
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「外に」真理を求めず、共同体内(言語ゲームを共有する人たちで)の整合性や、歴史性を以て「真なり」とすることを推奨する。伝統的哲学の認識論や形而上学が投げかける問いの一部を、そもそも問いとならないような思考の形式に組み替えようとしたり、過去から受け継がれた価値観の総決算としての現代にとどまらず、未来によりよい価値観になっている可能性を念頭に置いていたりと、討論や相互作用を大事にする感覚が随所にあって、とてもしっくりきた。2024/11/28
田蛙澄
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ローティのデイヴィドソン理解を知りたくて読んだけど、やはりローティが考えるデイヴィドソンは実在論的な見方から脱して表象のような疑わしい中間者なしに環境による因果をプラグマティックに解釈している感じなんだなと思う。しかしデイヴィドソン本人の文章から読み取る感じとどうもずれがある感じがするのは、デイヴィドソンがローティが言うところの伝統的な哲学の問いに答えようとするところがあって、ローティの解釈はそこをなるべくよくないものとして削いでるからか。 哲学史を合理的、歴史的再構成と精神史に分けるのは面白かった。2020/10/29