出版社内容情報
明治末期から戦後にかけて、数々の雑誌・新聞を率い「言論界の暴れん坊」の異名をとった男、野依秀市。同時代では右翼ジャーナリストとして知られた彼ほど、大衆の感情、「世論」を体現した者はいなかった。今や忘れられた桁外れの鬼才の生き様と、大手メディアとは異なる「負け組」の視点でのメディア史を描く。
目次
序章 元祖「メディア人間」
第一章 野依式ジャーナリズムの原点
第二章 「広告取り東洋一」の実業雑誌
第三章 喧嘩ジャーナリズムの筆誅録
第四章 「大正巌窟王」の闘い
第五章 『世の中』と『女の世界』の新機軸
第六章 仏教プロパガンディストの信仰縦横録
第七章 護憲派ジャーナリストの有田ドラッグ征伐
第八章 「代議士」野依秀市の誕生
第九章 「貧強新聞」奮戦記
第一〇章 筆(ペン)は剣よりも強し
第一一章 総力戦体制下の「反体制」言論
第一二章 敗戦者の勝利
第一三章 広告媒体か、モラル装置か
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
軍縮地球市民shinshin
13
本文だけで436頁とかなりボリュームなので読破するのに時間がかかった。明治・大正・昭和と「炎上商法」で一世を風靡したジャーナリスト・出版人野依秀市の生涯。戦後は「右翼」とみなされがちだが、幸徳秋水や大杉栄、荒畑寒村などの共産主義者・社会主義者と密接な付き合いがあり、戦時下は「東条内閣打倒」の論陣を張り、戦後は「紀元節復活」などの運動も携わり、1955年に自民党誕生にも資金面で裏工作をしたという人物である。金銭関係、恐喝容疑で何度も官憲から逮捕されているが、私生活は借金だらけで私財というものはほとんどなかっ2023/10/17
石橋
0
講談社野間清治の本を立て続けに読んだので、当然こちらに。今で言うところの炎上商法の先駆け的存在。とにかく敵を作って攻撃しまくることで自己実現をはかるのも、昨今の有名人と同じだ。2022/10/08