出版社内容情報
日本のレスリングは柔道とプロレスの異種格闘技から始まった。多くの妨害と困難に挫けず日本レスリングを創始した八田一朗、笹原正三ら黄金期を支えたスーパースターや天才たち、指導者たち、そして現在、最先端で戦う選手たち。無数のドラマと多様な人間を描ききる「正史」にしてエンターテインメント。(解説=夢枕獏)
内容説明
日本のレスリングは柔道とプロレスの異種格闘技から始まった。多くの妨害と困難に挫けず日本レスリングを創始した八田一朗、笹原正三ら黄金期を支えたスーパースターや天才たち、指導者たち、そして現在、最先端で戦う選手たち。無数のドラマと多彩な人間を描ききる「正史」にしてエンターテインメント。関係者も太鼓判を押した話題の単行本(二〇一二年)に終章を増補し堂々刊行。スポーツとは、競技とは何かを抉りだす。
目次
柔道を超えろ
ヘルシンキ
クーデター
ササハラの衝撃
レスリングマスター
ローマの屈辱
すべての道は東京へ
東京オリンピック
スーパースター
反逆者
迷走
女子レスリング
少年レスリング
ロンドンへ
東京オリンピック再び
著者等紹介
柳澤健[ヤナギサワタケシ]
ノンフィクションライター。1960年東京都生まれ。慶應義塾大学法学部法律学科卒業。文藝春秋入社後、「週刊文春」、「Number」などでの編集・取材活動を経て、2003年よりフリー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ばんだねいっぺい
26
日本のレスリングの歩み。八田さんがおおいに気を吐くところから、福田さんへと繋がっていく。これを通していわゆる協会の役割と責任を理解することができた。ひとりの選手が金メダルを取るためには、自分、家族、コーチ、協会、スポンサー。いろいろな協力が要るのだなぁ。本当に。2022/04/11
mdoguti
5
まだ半分も読んでいないが、余りもの熱さに感想を書かずにいられなくなる。格闘技界の伝説、石井庄八(ヘルシンキ・金)の『聞けば外国人とも戦うことができるという』『確かに日本は戦争に負けたかもしれない。だが、自分個人は負けたつもりはなかった』という言葉。焼け野原とうなだれる大人達を横目に見ながらの、この強烈な自負心。「大人は敗戦という結果で納得したかもしれないが、俺達まで敗者扱いされるのはたまらない」こんな若い人達の小さな思いがつながっていったことが、戦後日本の繁栄の一因を担ったことは想像に難くない。2023/10/02
スプリント
5
日本のレスリングを育て、組織化していった人たちの物語。 組織に馴染めず排斥されたり、学閥があったりと傍から見たらもったいない時代もありましたが現在の女子レスリング最強国を築き上げたのは過去の取り組みがあったからこそですね。選手第一の協会であってほしいと願うばかりです。2022/01/22
MrO
2
最終章が加わり、栄光の物語が、最低の物語に終わったところで、今、東京オリンピックを迎えている。ほんと、しょうもない俗物たちの、しょうもない縄張り争いの中でも、立派な指導者はいるのであり、新たな世代は育っている。この後、オリンピックを見るのが楽しみになった。2021/07/30
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1
後半はやや駆け足。協会が一枚岩ではないことがよく理解できたw2021/09/26