内容説明
目が見えず、耳も聞こえない。ヘレン・ケラーと同じような障害をもつ東大教授・福島智。三歳で目に異常がみつかり、四歳で右眼を摘出。九歳で左の視力も失う。一四歳で右耳、そして一八歳ですべての音も奪われる。無音漆黒の世界にただ一人。果てしない宇宙に放り出されたような孤独と不安。それを救ったのが母の考案した「指点字」とその「通訳」の実践だった。これまでいくつものバリアを突破してきた。生きること自体が戦いだ―。彼に引き込まれ、追いかけながら、考えた。生きるって何だろう。
目次
盲ろうとは―「黙殺」されてきたその存在
誕生と喪失―三歳で右失明、九歳で左も
わんぱくと音楽―盲学校・一四歳で片耳に不安
男版ヘレン・ケラーとちゃうか―八一年二月の俺・全盲ろうに
指点字考案―母から見た智
「通訳」誕生―トムとケティー
結婚―夫婦げんかに指点字通訳
「適応障害」―福島智を生きるということ
仕事と研究1―バリアフリーって何?コミュニケーションって何?
仕事と研究2―セーフティ・ネットって何?自立って何?
仲間たち―人生は冒険
自画像―ありのままの福島智
子どもたちへ―福島流「生きる哲学」
著者等紹介
生井久美子[イクイクミコ]
朝日新聞記者。京都市生まれ。上智大学文学部心理学科卒。1981年朝日新聞入社。仙台支局、政治部をへて、医療や介護、福祉の現場取材を続ける。近年は「プロメテウスの罠」取材班で「残ったホーム」を連載。ファイザー医学記事大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
やいっち
紫羊
ゆき
tellme0112
Yuko
-
- 和書
- 女帝小池百合子