岩波現代文庫
ゾルゲ事件とは何か

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  • サイズ 文庫判/ページ数 420p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006032630
  • NDC分類 391.6
  • Cコード C0121

内容説明

尾崎秀実とリヒアルト・ゾルゲはどのようにして出会い、なぜ死刑となったのか。二人が中心となった諜報組織が入手した情報とは何か。それは誰によっていかに活用されたのか。本書は二人の人間像と思想形成を丹念に辿りながら、一九四一年九月に摘発が開始されたこの事件の全体像を英語圏で初めて実証的に解明した著作の増補版であり、本邦初訳である。今も謎に包まれているこの事件を学ぶ上で最良の入門書であるといえよう。

目次

第1章 スパイ活動と政治
第2章 尾崎秀実が受けた影響
第3章 上海
第4章 スメドレーとゾルゲ
第5章 諜報団の組織
第6章 スパイでもあり、識者でもあり
第7章 諜報活動の成果
第8章 逮捕・裁判・処刑
第9章 わが時代の英雄
付章 伊藤律はユダヤだったろうか?

著者等紹介

ジョンソン,チャルマーズ[ジョンソン,チャルマーズ] [Johnson,Chalmers]
1931‐2010年。米国アリゾナ州に生まれる。カリフォルニア大学バークレー校を卒業。朝鮮戦争従軍後に同校で政治学修士・博士号を取得。アジア専門の政治学教授となる。後に同大サンディエゴ校教授。退職後に日本政策研究所を設立

篠崎務[シノザキツトム]
1934年生まれ。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

カレイ.シュウ

10
ゾルゲより尾崎に重点をおいた本です。2017/12/24

BLACK無糖好き

3
ゾルゲ・スパイ団の活動を実証的な学術研究として論述された本書は、勿論ゾルゲと尾崎の二人に焦点が当てられている。彼らを単純にスパイと考えるなら、彼らほど知的なスパイは現代史上まずいないだろう。政治の中枢に入り込み、政治的決定に関する情報を収集するばかりでなく、そういった政治的決定自体を望ましい方向に持ってゆくようにすることも重要であると考えていた。尾崎はジャーナリストとしても中国社会・民族主義の分析に卓越なる先見の持ち主でもあった。愛国者か反逆者か?一概に答えは出せないであろう。2015/02/06

Fumihiko Kimura

1
ジョンソン氏の古典的ゾルゲ研究である本書を読んで、「ゾルゲ事件」自体が単なるスパイ事件ではなく、尾崎秀実には彼自身の、ゾルゲにはまたゾルゲ自身の「論理」があったということが改めて解った。特に尾崎の論理を、おそらく相当の史料的制約のなか、丁寧に解きほぐす筆者の力量に敬服。2015/07/25

kwmr_

1
初出の頃は冷戦まっただ中。その時代によくぞここまで事件に肉薄できるものだと感心。後年の追補も充実。2013/11/10

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