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岩波現代文庫
賀川豊彦

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  • サイズ 文庫判/ページ数 254p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006032302
  • NDC分類 289.1
  • Cコード C0123

出版社内容情報

特異なキリスト者にして大ベストセラー『死線を越えて』の著者として知られる賀川豊彦(一八八八―一九六〇)は、献身的な社会活動家として労働運動、農民運動、生協運動、平和運動の先駆者でもあった。きわめて多面におよぶが今や忘れられつつある彼の思想と行動を狭い枠から解放し、近代思想史上に位置付けた画期的評伝。(解説=小林正弥)

内容説明

特異なキリスト者にして大ベストセラー『死線を越えて』の著者として知られる賀川豊彦(一八八八‐一九六〇)は、献身的な社会活動家として労働運動、農民運動、生協運動、平和運動の先駆者でもあった。きわめて多面におよぶが今や忘れられつつある彼の思想と行動を、狭い枠から解放し近代思想史上に位置付けた画期的評伝。

目次

1 貧民の人格喪失とその回復
2 労働者の抑圧とその解放
3 労働運動の展開とその分極化
4 下層農民の窮迫とその解放
5 日本社会の退廃と神の国運動
解説 愛の実践者・賀川豊彦の思想的意義―コミュニタリアニズム的観点から(小林正弥)

著者等紹介

隅谷三喜男[スミヤミキオ]
1916‐2003年。東京大学経済学部卒業。専攻労働経済学。旧満洲の昭和製鋼所(のちの満州製鉄)社員を経て、敗戦後は東京大学教授、信州大学教授、東京女子大学学長を歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ゆう。

32
戦前の労働運動や農民運動、生協運動に尽力した賀川豊彦の評伝です。著者が労働分野が専門でもあり、労働運動での果たした役割がよくわかりました。キリスト者でありながらもマルクス主義に触れ、階級闘争を否定しながらも労働運動の意義を語る姿には、貧民窟での人々の生活を目の当たりにしたことが背景にあるのでしょう。この著書からは戦中期の姿はあまりよくみえてきませんが、戦後社会党結成に寄せる思いは平和への思いの表れなのかもしれません。宗教的であることと社会科学的であることの葛藤も見て取れたのが面白みの一つでした。2018/05/29

井上岳一

4
生協の生みの親の賀川豊彦の本格評伝。この忘れられた巨人の思想がよくわかります。ノーベル平和賞候補や総理大臣候補にもなったのに、この人の名を知る人は少ないでしょう。震災後の社会を考える意味でもこの人に学べることはいっぱいあります。2011/12/07

じん

2
2018年12月のEテレ「知恵泉」で知って関心を持った。戦前には、海外で「賀川、ガンジー、シュバイツアー」という題名の本が出版されたように日本のみならず、海外でも一種の聖人のようにその名前は鳴り響いていた賀川さん。20歳ごろ、病気で余命僅かと覚悟し、神戸の貧民街に住み込み伝道を始めた方。その後は、救済運動→労働運動→農民運動→協同組合運動と精力的に活動され、ノーベル平和賞候補に3回、文学賞候補に2回推薦され、総理大臣候補にもなった方。現代の社会活動事業のヒントになるかもと思ったけど偉人すぎました。2019/01/14

ポンポコ

2
大宅壮一をして「大衆の生活に即した新しい政治運動、社会運動、組合運動、農民運動、協同組合運動など、およそ運動と名のつくものの大部分は賀川豊彦に源を発していると云っても、決して云いすぎではない」と言わしめた賀川豊彦。ただすごい人とは知っていたが具体的に何をどうしたのか知りたくて読んだ。本書は主に神戸市の旧葺合区新川のスラムの貧困問題から労働運動、農民運動そしてイエスの友会の活動に焦点を当てた評伝。持ち上げるだけでなく、現代的な視点では誤りだったことや、時代に合わなかったことまで含めて冷静に論評されている。2017/02/16

プリン

2
ノーベル賞(文学賞・平和賞)の候補にも名前が挙がった、戦前の社会運動家の評伝。労働組合から農民組合、さらには協同組合から教会活動など、常に実践の場の中で自らの思想を貫こうとした賀川の「前半生」がまとめられています。ここで「前半生」としたのは、第二次世界大戦から戦後の賀川の動向が本書では省略されているため。大戦中の戦争協力や戦後になっても天皇制を賛美するなど、賀川が左派から批判される時期が都合よく省略されており、本書だけでは賀川の人物像は半面しか理解できませんでした。2012/08/14

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