出版社内容情報
円と同じ面積をもつ正方形はつくれるか。このギリシャ以来の問題は円周率という値のふしぎさをよく語っています。では,円周率は歴史上どうやって求められてきたのかを本書は丁寧にやさしく語ります。一方,背後にある長さとは何か,面積とは何か,ずばり現代集合論の原点もなるほどという解説もあります。「岩波科学の本」で大好評だった本の文庫化。
内容説明
円と同じ面積をもつ正方形はつくれるか。この古代ギリシア以来の問いに対する否定的な答えは、円周率のふしぎさをよく表わしています。また円周率には「長さ」「面積」をどう定義するかが関係します。さらには無限をどう捉えるかに通じます。円周率をめぐって人類の格闘を魅力たっぷりに描いた本。
目次
第1章 円周率と私たち(美しい図形―円;役に立つ図形―円 ほか)
第2章 円周率を測る(古代の人のちえ;自転車で測る ほか)
第3章 円周率を迫って(危ない橋;円周率のない世界 ほか)
第4章 新しい波(ヴィエトの時代;座標の考え ほか)
第5章 円積問題の結末(古い問題、新しい問題;連分数と円周率 ほか)
第6章 円周率のかげに(長さとはなにか?;これまでの計算の問題点 ほか)
著者等紹介
野崎昭弘[ノザキアキヒロ]
1936年生まれ。東京大学理学部数学科卒。東京大学、山梨大学、国際基督教大学、大妻女子大学を経て、サイバー大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
まつど@理工
9
自分は旧版の「岩波科学の本」シリーズから出版されたものを読んだ。(このシリーズは高校生以下の知識で分かりやすく説明した本が多いので今でも、教える側の人は必見だと思います。)この本で扱われている式は入試問題でもよくみるものが多いので、受験生も目を通しておくといいかも。リンクは青空学園数学科の「円周率を表す」これも合わせてどうぞ。2013/11/23
akiakki
4
円周率πについて学びたくてタイトルから期待したが、円周率の解説は知ってる範囲、あとは円の面積、球の面積から微積分の解説になってて残念。2022/11/04
まじぇすた
2
中学生向けの本。円周率の計算方法がいくつもあることを丁寧で説明しているようで、最初の円の面積以外は天下り的な説明だと感じる。あとがきに紹介されている本の方が面白そうだ。2019/04/19
えんどうまめ
2
想像以上に簡単に書かれています、中学生~高校生入ったばかりの人向けといったところでしょうか。書かれている内容はまぁそこそこといったところですかね。2012/07/04
魔魔男爵
2
野崎先生が総和級数(繰込み理論)を間違えていてアレっ?と思ったら、文庫化前の単行本は30年以上に出版されてました。この文庫版では最後に書き足して間違いを訂正しておられます。書き足すのではなくて書き直して過去の間違いを隠蔽しない野崎先生の真摯な態度に萌え燃えですぅ。権威ある説でも無条件に信じては駄目、自分の頭で自由に考える事が大事。そして自分が間違える可能性を忘れるなという、野崎先生の学問への取り組み方は素晴しいですよね。ようはポパーの推測と反駁だが日本一の数学解説者の野崎先生は世界一の哲学者のポパーに匹敵2012/04/14
-
- 電子書籍
- ヲタクの彼女(フルカラー) 9
-
- 和書
- あたしンち 〈第19巻〉