岩波現代文庫
昭和天皇1945‐1948

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  • サイズ 文庫判/ページ数 372,/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006031695
  • NDC分類 210.76
  • Cコード C0121

内容説明

一九四五(昭和二〇)年八月一五日、「玉音放送」以後に昭和天皇はいかに戦後を歩み始めたか。現人神から象徴天皇への転換点で、天皇は自らの危機をどう乗り切り、主体的に動いたか。戦後天皇制を設計する上でのGHQの意図とは何か。本書は木下道雄『側近日誌』の解読を縦軸にしつつ、膨大な史料に依拠して描き出した歴史ドキュメントの傑作。天皇の地方巡幸を熱狂的に出迎える国民、新憲法制定過程と東京裁判の秘話など、象徴天皇の誕生を理解する上での必読の書である。

目次

第1章 「国体ヲ護持シ得テ」
第2章 バーンズ回答を遵守せよ
第3章 宮中改革の先頭に立つ
第4章 大財閥の解体
第5章 疎開から帰った皇太子
第6章 背広の天皇、街頭へ
第7章 残された宮中祭祀
第8章 天皇を助けたクエーカー人脈
第9章 “潔白の証明”
第10章 天皇訴追せず
第11章 憲法改正をなぜ急いだか

著者等紹介

高橋紘[タカハシヒロシ]
静岡福祉大学教授。1941年東京都生まれ。早稲田大学法学部卒業後、共同通信社入社。社会部長、ラジオ・テレビ局長、(株)共同通信社取締役などを経て現職。この間、宮内記者会に在籍した。専攻は皇室の近現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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ジュンジュン

10
昭和天皇は崩御した。終ぞ、戦争責任も謝罪も語らずに。天皇制が最も危機に瀕したその時、驚異の粘りで”絶対に負けられない戦い”に勝利した天皇。この時期こそ、人間・昭和天皇の素顔が強く現れる。主に「側近日誌」に依拠しながら復元を目指す。「独白録」完成後も聞き取りが続けられていた事は初めて知った。なぜ、世に出ない?2022/12/13

バイオ燃料

1
戦後約3年間に焦点を当て、現人神から象徴天皇への天皇制の変遷を中心に論じている。国体護持からGHQとの折衝、天皇の戦争責任の是非の論争を通じて憲法改正までを扱う。視点の入れ替わりが激しく、まるでドキュメンタリーを視ている気分になった。だが、様々な視点を取り入れており、面白く読めた。扱う期間が短い分、分析が深くなっているのも良かった。この作品を読む前に昭和天皇についての概説本を予め読んでおけば、より理解が深まると思われる。2019/02/23

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