内容説明
中国の戦線で、捕虜の刺殺訓練をさせられた著者。以来六十余年、戦死した友の眠る故郷の墓地で、八月十五日の靖国神社で、半世紀近くたって参加した戦友会で。自身の戦争体験や、軍隊、戦争そのものの正体を問い、老日本兵は、歩き、考え、書く。「お前は中国でいったい何をしたのか」、終わらない問いを抱え記したエッセイ集。
目次
日中戦争で戦死した大阪生まれの英霊の声―今は亡き昭和天皇が、まだ臨終の床にあった時に作れる歌
銭池村墓地にて
老兵「バリアフリー2004」へ行く
「なみだ(涙)」
大阪・中之島・中央公会堂脱出記
私の八月十五日―靖国神社へ行く
初めて人を殺す
八王子の麗しき森の住人に捧げる歌
著者等紹介
井上俊夫[イノウエトシオ]
1922年、大阪生まれ。詩人。42年、徴集され中支に派遣。捕虜生活も含め足掛け五年、日中戦争に従軍。戦後、農民運動に参加。57年『野にかかる虹』でH氏賞受賞。カルチャーセンターなどで文学関係の講座を担当
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