• ポイントキャンペーン

岩波現代文庫
正義論/自由論―寛容の時代へ

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 304p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006030599
  • NDC分類 311.1
  • Cコード C0112

出版社内容情報

ロールズの『正義論』をわかりやすく紹介し,具体的な事実に即して現代社会における自由と寛容を考察する.個よりも共同体を優先する共同体主義と対決し,さまざまな個人の自由の成立について論じる「多様性の倫理学」の試み.

内容説明

ロールズ『正義論』をわかりやすく紹介し、ロックやJ.S.ミルの政治哲学とからめながら、国家、民族、文化が錯綜する現代社会の自由と寛容を考察する。不平等問題、宗教、同性愛、任娠中絶などの具体例を挙げて個よりも共同体を優先する共同体主義と対決し、さまざまな個人の自由の成立を論じる「多様性の倫理学」の試み。

目次

1 リベラリズムの政治哲学(ユートピア論的な開始;正義のシステム;現代批判としての正義論;共同体論を超えて;宗教とリベラリズム;セックスとリベラリズム;国際関係とロールズの正義論)
2 寛容の時代へ(近代の不寛容;「他者」の学習;多様性の倫理学;「受胎告知」の政治学;寛容の時代へ)

著者等紹介

土屋恵一郎[ツチヤケイイチロウ]
1946年東京生まれ。明治大学大学院法学研究科博士課程単位取得。明治大学法学部教授。イギリス哲学を基盤に、現代の倫理学の構築を目指す法哲学者。能、歌舞伎、舞いなどのドラマ性を思索の源泉としている
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

テツ

11
ロールズとミル。自らの正義を貫けば他者に対して不寛容にならざるをえないし、自らの自由を貫けば他者の批判に晒される。「正義」とか「自由」とか「寛容さ」とかカジュアルに口にしがちだけれど、それを体現して社会の中で生きるということは至難の業なんだと思い出す。あたりまえのように美しいとされ、そうあるべきだとされている状態で在ることは本当は難しい。社会問題そのものには殆ど興味はないけれど、それとどう対峙するかという自分の姿勢については少しだけ考えてしまう。2024/04/01

TOMYTOMY

3
「原始状態」「無知のヴェール」 が中々興味深かった。 大衆の中で正義や自由を見つけ出すことの難しさ。 そして、ジェンダーや宗教を通して寛容していくことが課題である。 人間ほど複雑な生物は居ない。 マイノリティーを寛容して行くというのかが発見を生みやはり面白いのは、よく理解してるつもりである。2018/12/25

seer78

1
ロールズ『正義論』を参照しながら、日本含め現代世界の社会問題を考察した本。リベラリズムの政治哲学を実例に沿って理解させようという啓蒙的意図が感じられる。すこし事例が古いと思うところもある。でも著者の分析の射程は今の問題にも届いている。またそのための基礎知識も授けてくれる。宗教的な寛容論の系譜にロックやミルの哲学を位置付ける手つきの見事さ。個人的には、死者の「個人主義」尊重という観点からアンティゴネーを論じるくだりが圧巻。ヘーゲルやデリダなどがリベラリズムの光の下で新しく甦るかと思える瞬間に身が震えた。2012/05/09

yuuuming

1
性についての項のみ。同性愛に関してというよりは性道徳からの逸脱についてという感じ。セクシャルマイノリティのように、公私の私部分で個人を多数派が攻撃するのは、多数派が共通の敵を作ることで一体感を作るためであるっていうのをシャリバリなどに絡めて。2011/07/18

りり課長

0
ロールズの正義論にはじめて触れた。土屋恵一郎氏もはじめて読んだ。読んでよかった。現代の様々な差別や対立のほどく寛容。寛容と言うワードが再びよみがえった。2016/01/20

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/399593
  • ご注意事項