出版社内容情報
電子メディアが生み出した新しい社会環境を,批判理論とポスト構造主義の成果から具体的に考察する.コミュニケーションの形態に着目した「情報様式」の視点に立って画期的な社会理論を提示した現代社会学の基礎文献.
内容説明
虚構と現実の融合、個人情報のデータベース化による監視の強化、電子化された言語状況における主体の崩壊…。電子メディアが生み出した社会環境を、批判理論とポスト構造主義の成果から具体的に考察する。コミュニケーションの形態に着目した「情報様式」の視点に立って画期的な社会理論を提示した現代社会学の基礎文献。
目次
序章 何も支持しない言葉
第1章 脱工業社会の概念―ベルとレトリックの問題
第2章 ボードリヤールとテレビCM―経済の言語
第3章 フーコーとデータベース―分有された監視
第4章 デリダと電子的エクリチュール―コンピューターの主体
第5章 リオタールとコンピュータ科学―ポストモダン政治学の可能性
著者等紹介
ポスター,マーク[ポスター,マーク][Poster,Mark]
1941年生まれ。ニューヨーク大学でPh・D取得。カリフォルニア大学アーヴァイン校歴史学教授
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感想・レビュー
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たばかる
11
原題はThe mode of information: Poststructuralism and Social Context 批判理論とポスト構造主義の哲学議論を、情報の流動性のました社会において主体や人間の変容という点でまとめたもの。ポスターの情報様式はマルクスの生産様式からの影響を受けたもの。その意味では唯物的な(あるいは情報決定論からの)社会分析である。解説の大澤曰く「前衛的な思想の動向に一定の知識を持っている者ならば、当然のようにもってしまう連想に、実質的な内容を与えた」ように自然な着想だと。2022/09/02
静かな生活
2
REVIEW SCORES 85/100 ChatGPT: 【成果】情報テクノロジーが主体をいかに編成し直すかを問うことで、ポスト構造主義とメディア論を接続。「情報様式」という概念を通じて、権力・記号・自己の新たな関係を鮮やかに可視化した革新的思索。 【限界】理論的跳躍は魅力だが、語りは抽象に傾き、具体的事例や経験的分析に乏しい。現実のテクノロジー変化に対する応答としてはやや静的で、批評としての即応性に欠ける面もある。2023/09/07
au-lab
2
いわゆるポストモダンの思想を、「情報様式」という概念装置によって情報社会論と接続しようとする先駆的な試み。1990年という時代を考えると、非常に先取り的に、論点を整理している。インターネット前夜ということもあり、今から読むと古いところも散見されるが、近代科学に対する批判的な視座の準拠点としては未だ有効と思われる。2016/11/30
masudak
2
ちょっと古い。ただ思想的にはちゃんと理解しといて損はない。
ねぎとろ
2
おそらく10年前までなら読む価値のあった本。ポストモダンの錯綜とした議論を読むぐらいなら、レッシグあたりを当たったほうがいい。2008/11/10
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- 和書
- 倭詩 〈續〉