出版社内容情報
上海のダンスホールの華だった女性と、それに翻弄される男たちを描く「永遠の尹雪艶」、老軍人がかつての日々を回想する「国葬」など、国共内戦と国民政府の亡命という歴史を背景に、戦後の台湾で故郷喪失者として生きる人びとの姿を活写し、失われた世界への哀惜や喪失の痛み、新天地で生きる苦悩を鮮烈につづった傑作短篇集。
【目次】
歴史と文学――岩波現代文庫版『台北人』序
永遠の尹雪艶
緑の輝き
除夜
最後の夜
血のように赤いつつじの花
追憶の詩
梁父山の歌
孤恋花
花橋栄記
秋の思い
満天に輝く星
遊園驚夢
冬の夜
国葬
訳者あとがき
内容説明
上海のダンスホールの華だった女性と、それに翻弄される男たちの姿を中心に、過去に浸り続ける人びとを描く「永遠の尹雪艶」、空軍兵士の妻が抗日戦争から国共内戦、戦後の台湾移住までの軌跡をつづる「緑の輝き」、老軍人がかつての日々を回想する「国葬」など、戦後の台湾で故郷喪失者として生きるさまざまな階層の大陸出身者の姿を活写し、失われた世界への哀惜や喪失の痛み、新天地で生きる苦悩を鮮烈につづった傑作短篇集。
著者等紹介
白先勇[パイシエンヨン]
1937年、国民党の軍人である白崇禧の五男として中国広西に生まれる。国共内戦での国民党軍の敗北に伴い、52年に台湾へ渡り、60年に大学の同級生らと雑誌『現代文學』を創刊。台湾大学卒業後はアイオワ大学に留学。カリフォルニア大学で教鞭を執りながら小説を執筆した
山口守[ヤマグチマモル]
1953年、長野県生まれ。日本大学名誉教授。日本台湾学会名誉理事長。専門は中国現代文学、台湾文学を含む華語圏文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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