出版社内容情報
上海のダンスホールの華だった女性と、それに翻弄される男たちを描く「永遠の尹雪艶」、老軍人がかつての日々を回想する「国葬」など、国共内戦と国民政府の亡命という歴史を背景に、戦後の台湾で故郷喪失者として生きる人びとの姿を活写し、失われた世界への哀惜や喪失の痛み、新天地で生きる苦悩を鮮烈につづった傑作短篇集。
【目次】
歴史と文学――岩波現代文庫版『台北人』序
永遠の尹雪艶
緑の輝き
除夜
最後の夜
血のように赤いつつじの花
追憶の詩
梁父山の歌
孤恋花
花橋栄記
秋の思い
満天に輝く星
遊園驚夢
冬の夜
国葬
訳者あとがき