出版社内容情報
1994年夏。深刻な水不足に悩まされる街で、小説家はワープロに向かい、雨の来る日を想う――。表題作「佐世保で考えたこと」はじめ、「ありのすさび」「セカンド・ダウン」など代表的な連載エッセイ群を収録。「十七歳」「叔父さんの恋」など、美しい短編小説も五編収める。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こすも
3
佐藤正午さんが1991年から1995年に書いたエッセイを集めたもので、シリーズ2冊目になります。 1冊目の感想で書きましたが、僕は佐藤正午さんの作品を全部持っているので、当然こちらに収録されたエッセイも1度は読んだことがあります。 が、ぜんぜん内容を覚えてない。 うっすら記憶にあるエッセイは、他人にバトンタッチしたふりをして佐藤正午さんが書いてたやつです。 そのエッセイを最初に読んだときから、さんざん佐藤正午さんの作品を読んでいるので、今回は、もろ佐藤正午さんの文体だなってわかりました。2025/01/30
O-chami
3
36歳〜40歳の期間に描かれた、後に「ありのすさび」「象を洗う」「豚を盗む」の連作エッセイ集として発表され、多くの金言·オリジナル格言や短篇小説に当時大いに勇気付けられました。ほぼ全てが再読だと思うんだけど見事にまた感動…大体がその内容を忘れてしまってるからですね。北大中退後、故郷長崎に戻り佐世保在住の同級生作家が、青年から中年に至る時期に何を想い綴ったのか…振り返るに最良の書籍。BGMは作中で唯一取上られた楽曲、吉田拓郎で“僕を忘れた頃に君を忘れられないそんな僕の手紙が着く“と唄われる「春だったね」🎶2024/10/03
みんな本や雑誌が大好き!?
2
佐世保に住んでいて、そのころ「水飢饉」が発生し、四苦八苦したことがあったようですが、そうした状況下で「考えたこと」などが綴られているわけです。抱腹絶倒とまではいかないまでも、昭和世代だと、クスクスと笑えるユーモアタッチではあります。読んで退屈することはありません。 ミニ小説なども収録されていました。三無主義の回想もありました。無気力、無感動、無関心。 さらに、四無主義もあって、さらに無思想とかも。五無主義も? 追加項目は「無責任」?云々と我々の世代は言われていたことを思い出しました。 2024/10/15
四面楚歌
1
内容は再読にはなるけどこんな風にまとめてもらえて初めて読むような気分で読める。2024/10/09
midokame
0
★★★2024/10/26