出版社内容情報
上方落語をはじめ広く芸能・文化に関する論考・考証を収め、桂米朝の代表作として名高い『続・上方落語ノート』を文庫化。「落語と能狂言」「名人芸あれこれ」「先輩諸氏の持ちネタ」「芸の虚と実」「落語の面白さとは」「原典あれこれ」「著作権草創期」「続・考証断片」「おどけ浄瑠璃」などを収録する。全四集。解説・石毛直道
内容説明
上方落語研究・評論においても第一人者であり、多くの著作を残した桂米朝。中でも、広く芸能・文化に関する論考・考証を収めた『上方落語ノート』は代表作として知られる。落語論、芸談、噺の原典、古老の芸の記録、芸能史料の解読などを収録。長年の調査研究や見聞に基づく、貴重な記録である。
目次
日常茶飯事
落語と能狂言
わらベ唄と落語
旧著の訂正追加
名人芸あれこれ
温泉演芸場の想い出
先輩諸師の持ちネタ
芸の虚と実
落語の面白さとは
雪叩きから雪とんまで
原典あれこれ
続・ネタ裏おもて
著作権草創期
続・考証断片
おどけ浄瑠璃
戯浄瑠璃壺被話
著者等紹介
桂米朝[カツラベイチョウ]
1925‐2015。落語家。重要無形文化財保持者(人間国宝)、文化勲章受章。作家・正岡容に師事し、その勧めで四代目桂米團治に入門、三代目桂米朝を名のる。六代目笑福亭松鶴らとともに、戦後上方落語の復興に尽力した。上方芸能研究・評論でも定評がある。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
gonta19
119
2020/7/23 楽天ブックスより届く。 2022/6/4〜6/9 桂米朝師の落語ノート第2弾。今は通じなくなってしまった言葉が下げに使われているがために、演じられなくなってしまった演目がたくさんあるのはもったいないなぁ。言葉は変遷する、と言われるがこんなところにも影響があるんだ。2022/06/09
fwhd8325
55
上方の噺家さんで、米朝師匠の系譜にいる方々は、揃って米朝の弟子であることを語ります。米朝師匠の落語はもちろんですが、落語への真摯な姿勢、功績をみれば孫弟子であっても、納得がいきます。第一集に続いて第二集も、貴重な内容で、本当に勉強になります。伝統芸能と言われる世界は奥が深いです。2020/09/20
gtn
30
上方落語に対する考証の深さに頭が下がる。特に、著者の師匠四代目米團治や、五代目松鶴、春輔、二代目花橘、四代目文枝、四代目文團治、二代目かしく、橘ノ圓都等から江戸明治の芸や言い回しを聞き出し、書き残し、自らも再演した功績は大きい。著者がいなければ、そんなものはとっくに消えて無くなっていたはず。2022/02/08
浅香山三郎
14
米朝師の『上方落語ノート』シリーズ全4冊の2冊目。落語の考証、上方の近世文化、或ひは日本語史といふやうないくつかのジャンルに跨る業績で、学者肌の米朝師の軌跡を感じることができる。「おどけ浄瑠璃」の翻刻と解題は、近世文学の史料紹介の意味もあり、偉大な業績だと改めて感じた。近世から戦前に至る、市井の人々の知識世界の広がりを明らかにする労作である。2021/04/05
やまねっと
10
正直読み進めるのがつらい読書であった。落語のことが書かれてある項はまだ読めるが、浄瑠璃の項は読んでて内容が分からず解説がついているが、理解が及ばないことが多々あった。 米朝師匠の古典芸能オタクという一面を余すことなく記された本書は、偉業とも言うべき成果の一冊であろうことは言うに及ばない。 七度狐のところが1番興味深く読んだ。この古いものを含めて7回化かすところを通しで見てみたいと思った。 それにしてもあと2巻あるけど、読むの止めようか本気で悩んでます。一度、目は通しておこうとは思っているが…。2020/12/28