出版社内容情報
悠久の歴史の中に煌めく数多の名言は、今なお人の世の真実を照らし続けている。博学能文の中国文学者が、生き生きとした生命力を保つ名言366を精選、1年各日に配して味わい深い解説を添える。日々の暮らしを彩る、教養と実用を兼ねた1冊。
内容説明
ときに英知の結晶の重みに粛然とし、ときに寸鉄人を刺す切れ味に感嘆し、ときに洒脱なユーモア感覚あふれる面白さに哄笑し、ときに鮮やかに世界を凝縮した詩句に心を酔わせる―史書、詩文、随筆、小説、俗諺等々から精選した、時代を超えて生き続ける三六六の名言を、一年各日に配して明晰な解説を付す。日々の暮らしを彩る、教養と実用を兼ねた一冊。
著者等紹介
井波律子[イナミリツコ]
1944年富山県生まれ。京都大学大学院博士課程修了。国際日本文化研究センター名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あきあかね
18
詩文や史書、随筆、俗諺など、中国の悠久の歴史の中で紡がれた人間の叡智、幽幻な世界観を表す言葉たちが一日一言という形で収められている。杜甫や李白といった著名な詩人から、「人生 別離足(おお)し」の詩一篇のみで永遠に記憶されることになった于武陵まで、幅広い人びとの言葉が記されている。 漢文は、簡潔な言葉ゆえに時に意味を捉えにくい時もあるけれど、著者の解説がさり気なく補ってくれる。「せせらぎの音が耳いっぱいに響き、涼気が顔一面に漂ってくる。」(『耳に満つ潺湲(せんかん) 面に満つ涼』)、⇒2023/05/31
ひよピパパ
9
「中国名言集」と銘打った書はあまたあれど、筆者の中国文学に対する造詣の深さが満ちあふれ、唸らされずにおられる書が他にあろうか。もともと新聞の連載ということもあって、一日一語、365+1日(語)。それを一頁ずつで紹介されているが、そのわずかの紙幅の中に知見がギュッと凝縮されていて読みごたえがある。印象深い名言から。六月十四日「是を是とし非を非とす」(「是々非々」)。八月二十二日「帰って細君に遺る」(妻=細君の由来。東方朔のセリフ)。九月二十九日「李下に冠を正さず」(疑われることをしない。示唆に富む一語だ)。2021/12/06
skr-shower
4
夜寝る前に一話づつ向き。知らない句や、知っている句の前後を知る事ができました。孔子は前向きなんだ…2019/05/04
じろう
2
初見の成句も多いが、日常生活でも使う言葉も多い。また雑学も増えてしまった。すぐ忘れるけど。こう言う意味の成句はなかったかなあ。「一犬かたちに吠え百犬声に吠ゆ」フェイクニュースのことだなあ。「鼎の軽重を問う」現在は鼎どこじゃねえなあ。安倍晋三の「李下に冠を正さず」も正確な表現とは言えない。細君の語源が東方朔の言葉からとは思いもよらなかった。2021/05/12
なん
1
「精金たる所以は足色に在りて分両に在らず:純金である理由は完全な色合いにあり。目方にあるのではない」「『百聞は一見に如かず』この老将軍の現場主義には今も傾聴に値するものがある」2022/12/24