内容説明
カリブ海の朝七時、試合が始まった―。季節外れの豪奢なバカンスが、ロシアン・マフィアを巻き込んだ、疑惑と欲望の渦巻く取引の場に。どうして私たちなのか、恋人は何を知っているのか、このゲームに身を投げ出す価値はどこにあるのか?政治と金、愛と信頼を賭けたフェアプレイが壮大なスケールでいま、始まる!サスペンス小説の巨匠、ル・カレ極上のエンターテインメント。
著者等紹介
ル・カレ,ジョン[ルカレ,ジョン] [le Carr´e,John]
小説家。1931年イギリス生まれ。オックスフォード大学卒。1959年から64年まで外務省に所属。その間1961年に『死者にかかってきた電話』で小説家としてデビュー
上岡伸雄[カミオカノブオ]
学習院大学文学部英語英米文化学科教授。現代アメリカ文学
上杉隼人[ウエスギハヤト]
編集者、翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
85
情報提供を条件にイギリス亡命を希望してきたロシアンマフィア。この作品では、マフィアと繋がっている大物のスキャンダルをもみ消してしまおうとする一派と、膿はきれいに洗い流してしまうべきだとする一派のせめぎあいの中の緊迫した数日間が淡々と描かれていく。おそらくは、本当に諜報部にいた者にしか分からないであろう微妙な人間関係や政治手腕。スパイとは、決して華々しいことばかりをしているのではないと知らされる。戦争がなくても、こういった諜報合戦は今でも続いているのだろう。2020/12/19
maja
17
ロシア人亡命工作に巻き込まれていくペリーとゲイル。旅地でロシアマフィア大物との出会いに至るまでの回想は、公職秘密法が絡む場へと収斂していく。ディマの要求に揺れる英国諜報部。強い信念を持ちながら、腹芸ができぬ故かどこにも属さない上級職員ヘンリーと組むことになり任務を熟していく諜報部員ルーク・・。語られる人物像、描かれる人々の心の動きを水面に映る雲の動きを見るような気分でじっくりと追っていく。再読。 2021/02/19
Satoshi
14
久しぶりにル・カレを読んだ。研究者と弁護士カップルがロシアンマフィアのマネーロンダリング責任者から亡命の手伝いを頼まれることから物語が始まる。ル・カレらしく英国諜報員が活躍し、マネーロンダラー・カップルそれぞれの思惑が有る中で、諜報員・ロシアンマフィアが絡む国際取引となる。所謂、巻き込まれものであるが、主人公カップルがマネーロンダラー家族に思い入れが出来てしまい、それにシティの金融腐敗を告発したい諜報員の熱意が絡み合う人間劇になっていく。ラストはル・カレらしく虚しい。映画も観てみたい。2026/06/11
kthyk
5
冷戦時代のスマイリーのサーカスはもう無いが、イギリス諜報部は健在。例によってヒーローは登場せず、物語は複雑だ。と同時に現実の社会や世界から決して離れることはない。 今回はオックスフォード大学で教えるスポーツマン・テューターとその恋人弁護士をロシアのマネーロンダラーとその家族に絡ませ、現代世界の内奥を日々新聞で読む時事世界と連動させ描いていく。 それは男の物語というより、恋人そして家族、人間のドラマ。 舞台もカリブ海リゾート、パリ、ベルン、そしてグリンデルワルド、007並みに華やかだ。2020/10/20
田中峰和
3
タイトル通り、背く者たちを描いた物語。資金洗浄で巨万の富を築きながらも家族への愛で組織に背こうとするディマ。自らの正義を通すため、英国諜報機関に背きチームを作るヘクター。家族とともに英国亡命を企図したディマに利用されるペリーとゲイルのカップルは、純粋なディマの子どもたちへの同情から計画に乗せられる。カップルの思いは同じようだが、ズレが生じる。ゲイルはディマの娘ナターシャの妊娠を自らの経験と重ねペリーには内緒で連絡を取り合う。ナターシャは父に背き、ゲイルはペリーに背く。サスペンスの中に複雑な関係が描かれる。2016/11/07




