岩波現代文庫
チェロと宮沢賢治―ゴーシュ余聞

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  • サイズ 文庫判/ページ数 336p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006022761
  • NDC分類 910.268
  • Cコード C0195

出版社内容情報

「セロ弾きのゴーシュ」は,音楽好きであった賢治の代表作.楽器チェロと賢治の関わりを探ることで、賢治文学の新たな魅力に迫る.

内容説明

熱烈な音楽好きで知られた宮沢賢治は、農民楽団で自作の詩に曲を付けチェロを演奏することまで夢見た。賢治が愛用したチェロは現存する。演奏の仕方を誰から教わったのか、いつ演奏をしたのか。チェロのたどった数奇なドラマを入念な取材と緻密な資料の博捜により迫ることで、代表作『セロ弾きのゴーシュ』の生まれる過程と作品の魅力が存分に語られる。音楽との関わりを通して賢治文学の新たな世界を明らかにする。

目次

第1部 宮沢賢治のチェロ(長い旅;1926.K.M.;『西洋音楽講座』;ヴィオロン・セロ科;チェロを買った ほか)
第2部 ゴーシュ余聞(「十日後」のゴーシュ;オーケストラ;宮沢家の音楽;チェロを弾く人;エミ・ヤンとチェロ ほか)

著者等紹介

横田庄一郎[ヨコタショウイチロウ]
1947‐2014年。ノンフィクション作家、評論家。早稲田大学政経学部卒業。同大学院修士課程修了。1970年、朝日新聞社入社。津支局、青森支局、整理部、企画報道室、学芸部などで勤務(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

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trazom

107
宮沢賢治とチェロの両方を好きな人間にとって、こんな素敵な本はない。推理を解くように色んなことが分かってくる:賢治のチェロは鈴木バイオリン製の最高級品だった。独習した後、上京して「3日でチェロを教えてくれ」と専門家を訪ねる無鉄砲さ。「俺のカガ(妻)」というくらいチェロを愛し、野中の一軒家で毎日弾いていたが、その腕前は「幼稚園よりもまだ初歩の段階」という評価。一途で真摯で真面目だけれど、どこかチグハグで不器用な賢治の生き様を思い浮かべる。十日間で見違えるようにうまくなるゴーシュの物語は、賢治の夢だったんだ。2025/04/03

へくとぱすかる

33
賢治の「セロ」だけに焦点をあて、ミステリ風にドキュメントが展開する。賢治の生きざまに、チェロと親友・藤原は大きな影響を与え、また藤原の人生にも賢治が大きな影響を残した。藤原のチェロと交換されて空襲をまぬがれ、ふたたび花巻に帰って、賢治の数少ない遺品として保存されているチェロ。ヨー・ヨー・マの演奏に使われたとは驚き。「ゴーシュ」の物語はこの楽器なくしては生まれなかった!2016/10/09

MICKE

5
チェロの切り口により宮沢賢治が蘇る、ドラマが現れ、謎が現れる。やはり花巻に行きたくなる。その前にチェロを手に入れなくては。2016/05/08

大臣ぐサン

3
チェロから紡ぐ宮沢賢治の物語。宮沢賢治記念館に展示されている賢治のチェロがいつどこで作られたものか、どこで購入したものか、藤原嘉藤治の穴あきチェロはどこへ、賢治が聴いたレコードは。など、音楽の視点からの賢治考は新鮮。次に賢治記念館に行ったらじっくりと見てみよう。それにしても、国立国会図書館の『春と修羅』に書き込みするってすごいな。さて、犯人は誰でしょう。本編のお楽しみ~。2019/04/10

ひでお

3
この本は宮沢賢治と音楽の側面に焦点をあてたルポです。研究書というには内容が浅いのと、話があちらこちらに飛んで読みにくいのが難点。興味をもって読んだのは宮沢賢治の共感覚の話。音を聞くと色や形として感じる力があったらしいです。きっと、世界の見え方聞こえ方が違うのでしょうね2016/06/06

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