岩波現代文庫
潮風の下で

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  • サイズ 文庫判/ページ数 269p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006022006
  • NDC分類 481.72
  • Cコード C0197

出版社内容情報

シギたちの北極への渡り,知られざるサバの生き残りレース,ハクトウワシとミサゴの空中戦.本書は米国大西洋岸での鳥類,魚類,哺乳類等の生命の輝きをいきいきと描いた海の大叙事詩であり,自然文学の最高傑作である.自然の多様性から人間が学びとるべきものは何か.『沈黙の春』の著者カーソンの注目すべき処女作.待望の復刊.(解説=鈴木善次)

内容説明

貪欲なウナギたちの饗宴、必死に生き残るサバの幼魚の旅、急降下して餌をとるアジサシ、ミサゴとハクトウワシの熾烈な空中戦。本書はアメリカ大西洋岸に生きる海鳥、魚、哺乳類たちの生態を詳細に描き出した海の大叙事詩である。季節の変化をたどり、海辺の自然の息づかいを再現しながら、生命の多様性と生気あふれる生き物を描いた自然文学の最高傑作。『沈黙の春』の著者としてあまりにも著名なカーソンの注目すべき第一作。

目次

1部 海辺―海辺のドラマ(上げ潮;春の飛翔;北極圏の出会い ほか)
2部 カモメの道―カモメが俯瞰する海のなか(春の回遊;サバの誕生;プランクトンの狩人 ほか)
3部 川から海へ―生命の回遊(海への旅;海の越冬地;回帰)

著者等紹介

カーソン,レイチェル[カーソン,レイチェル][Carson,Rachel Louise]
1907‐1964年。女性海洋生物学者・作家。アメリカ・ペンシルバニア州に生まれ、少女時代には作家を志すが、大学では生物学を専攻。ジョンズ・ホプキンス大学院では発生遺伝学を専攻するとともに海洋生物の研究に着手する。公務員生活のかたわら、執筆活動を行う。化学物質による環境汚染を警告した『沈黙の春』が世界的ベストセラーになる

上遠恵子[カミトオケイコ]
エッセイスト。レイチェル・カーソン日本協会会長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

Francis

14
10年ぶりの再読。と言うより一回読んでいたことをすっかり忘れて10年以上積読していたものと思っていました。レイチェル・カーソンは元々文学専攻で後に生物学へ専攻を変えたそうだが、その事が良く分かる文章。海の生き物たちの生態が詩情あふれる文章で見事に表されている。読んでいるうちに描かれた生き物たちに自然に愛おしさを感じてしまう。この地球が生命に満ちたかけがえのない星であることも思い出させてくれる。彼女がのちに「沈黙の春」を書いたのはある意味必然だったのですね。2024/10/11

tsubomi

6
2023.03.30-03.31:潮風、とタイトルにあるように浜辺や海へつながる河川、浅瀬~深海に至る海の中、海や浜の生き物を狩る鳥たちや小動物、さらに漁をする人間たち。ときに蟹の目線、ときに魚の目線などいろんな生き物が主役となって、その生き物が感じる世界を鮮やかに描く文章が素晴らしく、読みながらビジュアルや音やスピードや海に吹く風の匂いまでが感じられるほどに夢中になって読み進めました。まるで野生生物に関する良質のドキュメンタリー番組を視聴したような気になる一冊。この本が1941年に書かれたとは驚き!2023/03/31

ぱせり

6
それぞれの章には、主人公(?)となる個体がいることはいるけれど、さまざまな生き物たちがそれぞれの懸命のドラマを繰り広げている。その様子が、まるでドキュメント映画のよう。自分がその場にいて息を詰めて見守っているよう。まるで軌跡のようなその生も、惨い死も、後の生きものたちを生かすよすがになるのだ、と受け入れる。2021/11/03

Francis

3
レイチェル・カーソンの最初の作品。海の生物たちの生き様が詩的な文章で生き生きと書かれている。2014/01/05

Raynyan

2
海辺の生物たちの生命の営みがありありと描かれていて、どんどん引き込まれていきました。文章はとても淡々と書かれているのですが、その中に著者の生物たちへの愛情を感じます。「沈黙の春」を読んだときにも感じたことですが、このような食物連鎖によって地球上の生物はバランスを保っているのだということを人間はもっと意識する必要があるでしょう。人類にとって天敵がいない以上、自然にまかせていては人間は地球上の生物たちをどんどん滅ぼして生態系のバランスを壊していってしまいます。そのことに人間は気づかなくてはいけない。2016/08/16

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