出版社内容情報
戦後文学の二巨匠が、その社会意識の目ざめから、青春、戦争体験、文学的出発、戦後文学、安保闘争、赤軍事件と、時代を交錯させながら縦横に語る連続対談。二人の生誕百年を機に初めて文庫化する。
内容説明
戦後文学の二巨匠が、その社会意識の目ざめから、青春、戦争体験、文学的出発、戦後文学、安保闘争、赤軍事件と、時代を交錯させながら縦横に語る連続対談。変転する文学精神には鋭敏に呼応し、これを撃ち、真摯にかつユーモラスに語り合って倦むことがない。二人の生誕百年を機に初めて文庫化する。
目次
意識の目ざめ
大正から昭和へ
文学的青春
子ども殺しと監獄体験
戦前から戦中へ
ミンドロ
『俘虜記』と『死靈』と
「近代文学」の創刊と第一次戦後派
『武蔵野夫人』のころ
スターリン・毛沢東批判
「声」と「近代文学」の表裏
安保の時代とそれ以後
『死霊』と戦後の文学
三島由紀夫と花田清輝
七〇年代後半
近況をめぐって
著者等紹介
大岡昇平[オオオカショウヘイ]
1909‐1988年。作家。フィリピンで米軍捕虜となって終戦を迎える
埴谷雄高[ハニヤユタカ]
1909‐1997年。本名、般若豊。作家・評論家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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浅香山三郎
11
小説自体余り読まない癖に、小説家による回顧談のやうなものは好きだ。とくにこの二人の場合、人生そのものが20世紀史と重なつてゐて、その生ひ立ちや問題意識の持ち方、読書遍歴といつたものが其儘、日本の知識人のあり方を辿ることでもある。立花隆との対談本により、多少知識のあつた埴谷氏より、大岡昇平の方を詳しく知ることが出来たのが成果。埴谷の左翼運動への没入と挫折(革命党への不信感と文学的覚醒)、大岡昇平の従軍体験と戦後観、「戦後文学」といふ括りとその意味など、当事者ならではの証言が頗る面白い。2017/01/01
パブロ
10
キレキレに頭が切れる老人の話ほど面白いものはない。同じ明治42年生まれで、戦前、戦中、戦後の荒波をくぐり抜けた巨人。生き様の重みが私と違いすぎて、「へへ〜っ」と頭を垂れるしかないッスよ。大岡昇平は青年時代に出会った小林秀雄、中原中也、さらには捕虜経験を語り、共産党地下活動から監獄でのカント体験を饒舌ボレロする埴谷雄高。特に戦後文壇のこぼれ話にはニヤリ。だってポカポカ殴られる石川淳や、みんなから嫌われる吉田健一だよ。まだまだ語り尽くしていない感じだから、一緒に酒を飲みながらず〜っと聞いていたいな二人の話。2013/11/20
フリウリ
9
稀代の論争家大岡昇平と、「あっは」「ぷふぃ」の埴谷雄高による対談で、「世界」に1982~83年の2年間連載されていたもの。仲間の死体を埋めた生存兵として戦争を書き続けた大岡と、政治の革命より人間存在の革命を求めて「死霊」にこだわり続けた埴谷。同い年とはいえ二人の背景は相当異なるものの、妙に気が合うようで、気のおけない交流が心地いい。本書を読み始めてから関連書籍を読んだので、読了までに時間がかかったが、大岡の「成城だより」にも、埴谷と行き来する普段の様子が記録されています。文壇エピソードが満載です。92025/03/29
Francis
6
大岡昇平と埴谷雄高と言う、超個性的な文学者の対談。幼少の頃から対談当時の1980年代までを回想する。埴谷さんの台湾での幼少期、戦時中の裏話、大岡さんの中原中也と小林秀雄と小林夫人との三角関係、戦後の「近代文学」の裏話など、面白い話満載。埴谷さんが大岡さんの「武蔵野夫人」を褒めているのを読んで、まだ未読のこの本を読みたくなってきた。とりあえず積ん読状態の「俘虜記」は読まないとね。2014/06/06
koala-n
6
対談集。大岡昇平も埴谷雄高も文学史的には戦後派としてカテゴライズされるが、政治的・文学的な環境もその経歴はきれいに対称的。しかし、それと同時に共通点も多い。つまり、上手く凸凹が嵌まるような関係になっている訳で、同じ時代に生きていながらも、それぞれの経験がお互いに相補うようになっていて、タイトル通り複眼的視座の下に幼少期から現在(80年代前半)までがほぼ時系列的に回想されている。語りも、埴谷のいわゆる「ボレロ的饒舌」に対して、大岡の江戸っ子的な歯切れの良さも好対照。70歳を超える両者の知的絶倫には脱帽です。2014/02/22
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