岩波現代文庫
『源氏物語』の男たち〈下〉

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  • サイズ 文庫判/ページ数 275p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006021412
  • NDC分類 913.36
  • Cコード C0193

内容説明

『源氏物語』には、主人公の光源氏や夕霧以外にも、個性的で魅力あふれる男たちがたくさん登場する。「お体裁屋」で堅物の薫、源氏の父でさばけた粋人でもある桐壷院、源氏の親友で恋のライバル・頭の中将、源氏の異母兄で生涯「負け組」の朱雀院…。物語をいろどる多彩な名脇役たちの素顔を、エッセイ風にときあかす。

目次

1 ミスター・薫の場合
2 桐壷院の場合
3 ミスター・頭中の場合
4 朱雀院の場合
5 点景の男たち
『源氏物語』の人物をかたる―田辺聖子インタビュー

著者等紹介

田辺聖子[タナベセイコ]
1928年大阪市生まれ。小説家。樟蔭女子専門学校卒業。64年、『感傷旅行』で芥川賞受賞。93年『ひねくれ一茶』で吉川英治文学賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

78
個性あふれる男性陣がぞろぞろ登場しています。あまり登場していない男性たちにも視点をあてるのがおせいさんらしいところですね。桐壺帝とか朱雀院とか。宇治十帖にも幅が広がっているのも良いと思います。これを踏まえて源氏物語を読みたいと思います。2018/07/17

syota

27
下巻では薫、桐壺院、頭中将、朱雀院、ほか端役数人を取り上げているが、分量的にも内容的にも「薫」の章が圧巻。薫を軸にして、田辺さんの読み解いた宇治十帖の全貌が縦横に語られている。今まで薫のことを悲恋に煩悶する真面目な求道者と思っていたけれど、だいぶ印象が変わった。一言で言えば、世間体を気にする小心で中途半端なフェミニスト。光源氏のようなスーパースターではなく、現代でも普通にいそうな欠点の多い等身大の人物像で、宇治十帖が近代小説に通じるといわれる理由が分かるような気がする。2019/05/14

はちめ

7
源氏物語の男たちに焦点を当てるという視点は面白いが、やはり源氏物語は女たちの物語だと思う。紫式部が書きたかったのは平安時代を生きた女たちのことだったと思う。田辺聖子の筆も女たちの生き様を語るときのほうが生き生きとしている。本書では上巻では触れられなかった当時の婚姻制度や物語の中の権力闘争などにも多少触れられているが、ベースは現代の男女関係における恋愛感情にあるので、そのあたりは違和感が残る。好みの問題だが。☆☆☆★2022/03/27

chisarunn

4
内容はというと「新・源氏物語」のダイジェストだった。それもかなり荒っぽい。「源氏物語」を読んでない人を想定していない?かも。ともあれ、発行年代が古い本は中身を確認してから読むこと、との教訓にはなった。2021/07/08

はちめ

2
頭中が女性に人気があるというのは以外な感じ、人間臭く実際的で地味なイメージだが。上巻に引き続き大変面白く読むことができた。やはり源氏は奥が深い。汲めども尽きぬ泉だな。2017/10/29

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