内容説明
フランス最後の王妃マリー・アントワネット、皇帝ナポレオンの妃ジョゼフィーヌ、オルレアンの少女ジャンヌ・ダルク、動乱のルネサンス期イタリアで権力に翻弄された教皇の娘ルクレツィア・ボルジア…。西洋美術史の第一人者として知られる著者が、ヨーロッパの美術館で見られる名画に描かれた二十四人の女性たちの、悲しくも波瀾に富んだそれぞれの生涯を綴った名著。
目次
断頭台に散ったバラ―マリー・アントワネット
戴冠式にひそむ憂愁―ジョゼフィーヌ
オルレアンの少女の使命―ジャンヌ・ダルク
十六歳の未亡人の肖像画―王女クリスティーナ
世界を変えたエジプトの妖精―クレオパトラ
女王のなかの女王―エリザベス一世
自由と正義のかげの涙―ブルートゥスの妻
ある薄幸な女傑の物語―ディド
美しく貞淑な人妻の悲劇―ルクレティア
暴君ネロに献上された美貌―サビーナ・ポッペア〔ほか〕
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
がんぞ
4
文藝春秋の見開き頁連載の単行本化。図版は省力しすぎだが、簡素な説明を読むだけでもヨーロッパ史の詳細が理解できて有意義だった。ジャンヌダルクの即位させた「王太子」はなんと実母が「王の子ではない」とほのめかして薔薇戦争の原因となったとか。マリー・アントワネットの「首飾り事件」の首謀者は軽いお咎めで済んだなど。宗教画から宮廷の人物画、遠隔お見合い用も。クレオパトラがシーザーの前に絨毯から出てくる劇的場面などプルーターク英雄伝の主題も多い。フランスは革命後、急速に経済力を増し大国になるに従って絵画も変化していく…2016/02/17
あまね
0
名画に描かれた女性の人物評伝。読みやすい。ただ、図版がカラーじゃないのが不満。2010/08/12
Nemo
0
タイトル通りの本ですが、豊富な知識と偏見のない目線によって語られるストーリーが、絵画の隠された魅力を描き出してくれるようです。作品を鑑賞し素直に感じる素晴らしさに、背景が加わるのがとても楽しい2019/04/09