岩波現代文庫
女形の運命

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  • サイズ 文庫判/ページ数 345p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006020538
  • NDC分類 774.28
  • Cコード C0174

出版社内容情報

戦後歌舞伎の中心であり,女形を運命として生きた六世中村歌右衛門.本書は歌舞伎の本質的な構造と歴史的な意味を問い,それに対して歌右衛門が何をしたか,彼自身の歴史を考察し,その芸が照らしだす近代人の生の意味を論ずる.

内容説明

二〇〇一年三月三十一日、満開の桜と春の雪に送られ、戦後歌舞伎の中心であり続けた六世中村歌右衛門が逝った。本書は彼を中核に据え、歌舞伎の本質的な構造と歴史的な意味を問い、それに対して女形を運命として生きた歌右衛門が何をしたか、彼自身の歴史を考察し、歌右衛門の芸が照らしだす近代人の生の意味を明らかにしようとする。

目次

歌右衛門―二つの事情
歌舞伎の構造―三角形の論理
中心の思想―団十郎家の系譜
神々の末裔―近代の宿命
近代人歌右衛門―洋髪の女
父と子―一つの椅子
初代吉右衛門―老いらくの恋
八ツ橋の笑い―ワライとエミ
笑いを喪った肉体―半四郎の部屋
笑いの発見―淀君の笑い〔ほか〕

著者等紹介

渡辺保[ワタナベタモツ]
1936年東京に生まれる。58年慶応義塾大学経済学部卒業。演劇評論家、淑徳大学教授を経て放送大学教授
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

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石橋

2
このうっとうしさが保です。

rinrinkimkim

1
酒井37。岩井半四郎の生きざまに興味を持ちましたよ。生活そのものが女性だった。時代が今なら何の問題もなかったろうに。成駒屋の道成寺と音羽屋(梅幸)の道成寺が違うと、振りが全く違うと。このくだりを読んで成駒屋が生きてる時は太和屋(玉さまね)は成駒屋に近い踊りをしていたがその後は太和屋の道成寺に変わった。という文章を思い出した。先輩へのリスペクトとライバルとの競合。踊りって深いですね。六代目の道成寺は派手で無邪気。これも興味深い。保先生の傑作と言われる本書だけに行間を読むのにも時間がかかるしうとうとした。2022/09/27

コホン

0
玉三郎さんについての本で、歌右衛門の意地の悪さが書かれていたので、そこからの興味で購入。女形の演じ方の時代ごとの違いの分析は面白い。江戸時代の芝居は著者も言うとおり実際には見れていないのだから。2015/08/23

oco

0
歌右衛門という人をいつか映画にしてほしいです。シネマ歌舞伎もいいけれど。2012/11/01

絶間之助

0
最初の方と最後の章は、浅学な私には難しい内容でしたが、具体的な演技の話はとても面白かった。八代目岩井半四郎、五代目歌右衛門、初代吉右衛門、六代目菊五郎、そして主題の六代目歌右衛門。それぞれの芸、世界観の違いが、描かれています。私が見たのは六代目歌右衛門だけですが、「かさね」など、その独特の雰囲気が、とても印象深く記憶に残っています。その演技が、こうした時代の流れの中で、そして歌右衛門の世界観の中で、生まれてきたものだ、ということがよくわかりました。2012/08/08

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