内容説明
教育は、人に必須の人権として認められる―。1970年代以降の教育裁判に大きな影響を与えた「国民の学習権・教育権」の構造と、戦後史における教育法制の展開と課題を分析した名著『人権としての教育』(1991年)に、近年発表された「「国民の教育権と教育の自由」論再考」と「憲法と新・旧教育基本法」を追補。現在も新しい発見に満ちた本書を、次世代に贈る。
目次
第1部 国民の学習権と教育権(国民の学習権―人権思想の発展的契機としての;子どもの発達と子どもの権利;国民の教育権の構造―子どもの学習権を中軸として;追補 「国民の教育権と教育の自由」論再考―西原博史氏の言説に応えて)
第2部 日本における教育と教育法(憲法・教育基本法体制の成立の意義;戦後史における教育と法の動態;教育原理からみた憲法・教育基本法体制;追補 憲法と新・旧教育基本法―新法の合憲的解釈は可能か)
著者等紹介
堀尾輝久[ホリオテルヒサ]
1933年福岡県生まれ。東京大学法学部卒。教育学で博士号。東京大学、中央大学で教鞭を執る。日本教育学会会長、日本教育法学会会長をつとめる。専門は教育学・教育思想史。現在は総合人間学会、子どもの権利条約市民・NGOの会、9条地球憲章の会などで精力的に活動する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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sk
7
子どもの学習権、それを支える親の生存権を教育の基本とする。重厚。2021/12/12
saiikitogohu
0
「教育にかかわる当事者…子ども、親、教師、国または公共団体等…の権利、義務の関係、責任と権限の総体を教育権と呼び、それがどのような構造をもつかで、国民の教育権と国家の教育権に分かれる。その違いは基本的には子どもと国民の学習権の視点の有無、およびそれを誰が保障するかという点に関する議論の対立にある」「国民の、その生涯に渡っての学習権の思想…国民の知的探究の自由、真実を知る権利の総称…国民の全生涯にわたっての自己実現の権利としての学習権の思想」4「国民こそが学問と文化の創造の主体でありその結果を享受する」132020/10/13