出版社内容情報
日本の確率論研究の基礎を築き、多くの俊秀を育て、ガウス賞第一回受賞のほか数々の栄誉に輝いた伊藤清。「確率解析」誕生の経緯や「忘れられない言葉」など数学への深い思いを綴ったエッセイ集。
内容説明
日本の確率論研究の基礎を築き、かつ多くの俊秀を育て、また京都賞をはじめ、国際数学連合の主催するガウス賞の第一回受賞など、数々の栄誉に輝いた伊藤清。本書は氏の唯一のエッセイ集。数学者になった経緯や伊藤公式で名高い「確率解析」誕生の秘話、さらには「忘れられない言葉」「思い出」など、数学に携わる人々への深い思いが綴られる。
目次
1 忘れられない言葉
2 数学の二つの柱
3 数学の楽しみ
4 確率論とは何だろうか
5 確率論と歩いた六十年
6 思い出
著者等紹介
伊藤清[イトウキヨシ]
1915‐2008。確率解析の創始者のひとりであり、日本の確率論研究の基礎を築いた人でもある。京都大学教授、デンマーク・オルフス大学教授、米国コーネル大学教授、京都大学数理解析研究所所長などを勤める。京都賞、ウルフ賞、藤原賞のほか、国際数学連合の第一回ガウス賞を受賞。専門は確率解析、確率微分方程式(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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たか
5
数式もちょっとだけ出てきますが基本的にエッセイ、自叙伝だから数学苦手でも大丈夫です。2019/04/05
Masami.T.
3
誰かの何気ない言葉が忘れられない言葉になるということは、往々にしてあるものだ。確率論研究者・伊藤清の場合は、友人のお姉さんの言葉。彼女が哲学について語ったその言葉には、客観的な響きがあり、自然を記述する微分方程式こそ、あるいは次第に数学こそそうではないかと思うようになったという。この冒頭エッセイの他、コルモゴロフの数学観と業績、マッキーンとの共同研究(「あっという間の十年だった」)、故郷・三重県桑名の民謡や色々の思い出話などを収録している。2021/07/25
しろっこー
3
めちゃくちゃ読みやすい. 2018/11/13
Steppenwolf
2
G付録以外はエッセイ集であった。この中で数学セミナーに載っていた「かわった学生」だけは読んでいた。35年も前に読んだことであったがほぼ記憶していた。その他オイラー,コルモゴロフについて書かれた文をよんで更にこの人たちのことを知りたくなってしまった。同時に苦手意識を持っている確率についても勉強し直すかと思った。誤りを一点,付録14ページ,g=980dyneは伊藤先生のミスで正しくはg=980cm/s^2。2018/10/25
ゆうやけPC
1
数学者がどんな事を考えてるか少しだけ感じられた気がした2024/02/08