出版社内容情報
「宗門第一の書」と称され、日本の禅に多大な影響をあたえた禅教本の最高峰を、言語による言語の解体行為という視点から読み解く。読者を巻き込みながら自在に展開する「文字禅」の世界、その魅力を伝える入門書。
内容説明
『碧巌録』とは、北宋初期の雪竇重顕が古則百則に対して頌をつけた公案集に、北宋晩期の圜悟克勤が垂示・著語・評唱を加えた禅の教本である。「宗門第一の書」と称され、日本の禅にも多大な影響をあたえた。重層的な構造わ有する禅教本の最高峰を、本書では、言語による言語の解体行為という視点から、精緻に読み解いて行く。読者を巻き込みながら自在に展開する「文字禅」の世界とは何か。その魅力を平易に伝える画期的な入門書。
目次
第1講 禅の根本問題(『碧巌録』というテキスト;達磨、武帝をやりこめる(第一則) ほか)
第2講 禅の言語論(言語における意味の剥奪;趙州の最高の道(第二則) ほか)
第3講 禅の存在論(言語と存在;露呈する世界 ほか)
第4講 禅の人間論(禅における主体と自由;禅における他者 ほか)
補講 改めて『碧巌録』を読む
付録(『碧巌録』全一〇〇則標題・登場人物一覧;現代語訳で読める禅語録)
著者等紹介
末木文美士[スエキフミヒコ]
1949年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得退学。現在、東京大学名誉教授、国際日本文化センター名誉教授。仏教学・日本思想史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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