出版社内容情報
こころの動きをそのまま表現した数々の著作を生んだ河合隼雄の核心とは.赤坂憲雄,鷲田清一,養老孟司らによる思想性の追求.
内容説明
日本初のユング派分析家・河合隼雄の著作は、心理学の枠をこえ、神話・昔話研究から「中空構造」論、仏教思想と心理学の関係など独特の日本文化論にまで広がりを見せた。その思想を、中沢新一、鷲田清一、赤坂憲雄、養老孟司、大澤真幸など多彩なジャンルの当代一流の識者たちが読み解き、追究する。河合隼雄の海外での講演録『アッシジの聖フランチェスコと日本の明恵上人』も収録。現代文庫版では、巻末に「読書案内―河合隼雄の思想を知る一〇冊」を付した。
目次
序(対談 河合隼雄は思想家である(中沢新一×河合俊雄))
記録(アッシジの聖フランチェスコと日本の明恵上人)
論考(あいまいの記憶;落としどころについて―河合隼雄における“臨床”と“対話” ほか)
資料(読書案内―河合隼雄の思想を知る一〇冊)
著者等紹介
中沢新一[ナカザワシンイチ]
1950年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程満期修了。宗教学者。明治大学野生の科学研究所所長
河合俊雄[カワイトシオ]
1957年生まれ。京都大学大学院教育学研究科博士課程中退。チューリッヒ大学(Ph.D.)。ユング派分析家資格取得。京都大学こころの未来研究センター長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nemunomori
5
改めて河合隼雄先生の大きさを思いました。「アイデンティティー」という言葉を河合先生の本ではじめて習ったのはいつのことだったろう。臨床の知。神話の知。あいまいの知。中空構造論。河合先生の著作をひもとく上で重要な鍵となる言葉を再確認できました。2004年バルセロナで開催された第十六回国際分析心理学会議での講演録「アッシジの聖フランチェスコと日本の明恵上人」を読むと懐かしい先生の声を聞いているような気がしました。ハードカバーにて読了。2018/10/24
りっとう ゆき
4
河合隼雄氏の思想や人間性などについての対談、論考。中沢新一氏の話がおもしろい。心は矛盾のない形式におさまるようにはできていないとか、積極的な意味での「あいまい」とか、心の奥深くの真実にちかづけなくてその周りにたくさんの比喩がざわめいているとか(これはラカンの理論にも通じる) 。このゆらゆらとした感じ、わたしはやっぱり安心する。2021/03/09
Go Extreme
2
河合隼雄は思想家である 中沢新一×河合俊雄 アッシジの聖フランチェスコと日本の明恵上人:河合隼雄あいまいの記憶 :中沢新一 落としどころについて―河合隼雄における《臨床》と《対話》:鷲田清一 昔話と夜,または数をめぐる冒険:赤坂憲雄 中空と鬼っ子―河合隼雄の臨床の思想:河合俊雄 河合隼雄の『昔話と日本人の心』を読む :大澤真幸 河合隼雄と言葉:養老孟司 読書案内:河合隼雄の思想を知る一〇冊 2021/07/13
たか
2
良書。中沢新一、大澤真幸、わっしーの執筆章が特に良い。2018/09/18
sasuke
0
付箋一杯つけてある