内容説明
晩年の丸山眞男が、自らの生涯を同時代のなかに据えてじっくりと語りおろした回顧談。興味深い事実と臨場感あふれる語り口によって、昭和史の一断面を生き生きと伝える貴重な証言である。『丸山眞男集』刊行の準備として五年余りにわたって行われたインタビューの記録に、読解を助ける詳細な注・補注を添える。上巻は生い立ちから敗戦前後まで。
目次
はじめに―敗戦前後
府立一中のころ
一高時代
読書・映画・音楽
東大で学ぶ
東大で学ぶ(続)
ファシズムの時代の大学と知識人
助手として
歴史主義と相対主義の問題
自由主義と自由主義批判
戦中から戦後へ
重臣リベラリズムからオールド・リベラリスト批判まで
著者等紹介
丸山眞男[マルヤママサオ]
1914‐96年。政治思想史家
松沢弘陽[マツザワヒロアキ]
1930年生。北海道大学名誉教授
植手通有[ウエテミチアリ]
1931‐2011年。成蹊大学名誉教授
平石直昭[ヒライシナオアキ]
1945年生。東京大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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つまみ食い
1
彼の思想に決定的影響を与えたとされる有名な投獄体験を含め、丸山眞男が少年時代、青年時代を語る。好きだったレコードや映画などの話も面白い2020/05/05
hidehi
0
前半は、『坊っちゃん』的な、戦前・戦中に東大に行くような若者の学生生活や軍隊生活が著者のそこはかとない江戸っ子感を持って描かれていて面白い。後半からやはり当時の政治学会関連の話になってきて、いろんな個人名を知らないとわからないことが増えてくるので、やはりちょっと読者を選ぶかな。当時の日本を、学会はどう受け止めて対応してきたかを語る貴重な資料であることは確か。2023/09/16
飯田一史
0
丸山が若き学徒として見た戦中のアカデミズム、二等兵体験から戦後に東大法学部助教授になるまでの昭和史の一側面を語る。『新青年』やクロフツの探偵小説を愛読していたという一面も。2019/12/19