出版社内容情報
時代を先取りした思想家、中江兆民(1847-1901)。歴史の全体を捉える雄大な構想力を持ったその主張は、いまなおその輝きを失っていない。兆民の事蹟には不分明なところが少なくないが、史料上の困難な条件を克服して積年の研究成果をまとめ上げた本書は、“操守ある理想家”の苦闘の生涯を活写した、まさに決定版の伝記である。
内容説明
日本の民主主義思想の源流に立つ兆民。初の画期的な『全集』の成果を駆使して生涯の事績を明らかにし、その思想を時代的背景の中でとらえ、あわせて今日的意義を問う。下巻は、国会開設を前に一八八六年「小異を捨てて大同を旨」として民権運動の大同団結をはかる活動を始めてから、一九〇一年に病死するまでの一五年をたどる。
目次
第6章 明治憲法体制と兆民(三大事件建白運動と兆民;東雲新聞時代の兆民;明治憲法発布と東京復帰;自由党の再興と憲法点閲論;総選挙と立憲自由党の成立;第一議会と兆民;北門新報)
第7章 実業活動期の兆民(紙問屋から鉄道事業へ;国民党結成と『百零一』;遊郭設置問題、兆民の女性論;国民同盟会参加と『毎夕新聞』)
第8章 “一年有半”の世界
第9章 兆民と現代
著者等紹介
松永昌三[マツナガショウゾウ]
1932年三重県生まれ。東京教育大学大学院文学研究科博士課程修了。都留文科大学、茨城大学、岡山大学、日本女子大学の教授を歴任。日本近代思想史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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