内容説明
近代世界の誕生を告知した不朽の名著『方法序説』。ルネサンスの黄昏に天動説的コスモスの崩壊を目撃したデカルトは、カオスと化した世界を手探りで進み、ついに近代という新しい世界の原理を探りあてた。謎のバラ十字団を追う青春彷徨と「炉部屋の夢」を追体験し、『方法序説』に結実したデカルトの精神のうちに近代の生誕のドラマを再現する。
目次
1 ワレ、イカナル人生ノ道ヲ歩ムベキカ(ラ・フレーシュ学院;ベークマンとの出合い;バラ十字団を求めて;ドナウ河畔の冬;三つの夢;方法としてのアレゴリー;「炉部屋」を出て―コスモスの崩壊)
2 ワレ思ウ、故ニワレ在リ(炎の自由思想;一六二三年、パリ;九カ月の形而上学研究;ワレ思ウ、故ニワレ在リ;宗教と科学の間)
著者等紹介
田中仁彦[タナカヒトヒコ]
1930年生まれ。東京大学文学部仏文科卒。上智大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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