内容説明
近代資本主義成立に直面していたボードレールの「現代性」の美学とは何か。一九世紀当時の現代的な文学・芸術運動であったロマン主義の超克として提示された「現代性」を軸に据え、「ブルジョワジー」「メランコリー」「陶酔」を鍵概念として一九の詩・散文テクストを解説し、近代の相貌を浮かび上がらせる。誰も語らなかったボードレールの真実。書下ろし。岩波現代文庫オリジナル版。
目次
序章 現代とその前史
第1章 現代性
第2章 ブルジョワジー
第3章 メランコリーの弁証法
第4章 陶酔と覚醒
終章 燕尾服の行方
著者等紹介
横張誠[ヨコハリマコト]
1943年生まれ。東京大学文学部卒業。同大学大学院人文科学研究科修士課程修了。一橋大学名誉教授。専攻は、フランス文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ロビン
22
ボードレールについて余りに消化不良だったため読んでみたが難解であった。「現代性」の美学を軸にして「悪の華」や「巴里の憂鬱」、また美術批評などから引用した19の詩と散文をテキストとして使い非常に綿密に検証し解説していく。ひとつの詩篇を読むのにここまで裏を取り作者の頭の中、心の裏まで推測していくのかと圧倒された。ボードレールが近代詩の父と呼ばれるのはロマン派を受け継ぎつつ「現代の美」を歌い、精神的・内面的なものを暗示する詩を書いたからなのか?結局よく分からなかったが、ボードレールの複雑さだけはよく分かった。2020/12/13
壱萬参仟縁
9
新刊棚より拝借。傍点を付してある、「彫刻の起源は、時間の闇の中に消えている」(98頁)とは意味深い。評者は木彫が卒業作品で鑿を入れたことが今でも誇りに思っている。時間は経過したが、一生懸命鑿を入れたことは人生の思い出である。油絵は模写をしたが、ごっつい画面の粗さがいいと思える。本の内容は難しいので、また機会をみて再挑戦してみたい。2013/06/08
eraser head
0
後で感想を書きたい。2013/08/10
令和の殉教者
0
序章「現代とその前史」、第1章「現代性(モデルニテ)」のみ。2019/01/23
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