出版社内容情報
近代的な「国勢調査」以前の社会において，その基層をなす人びと，家族といった身近な存在から人口を推計し，社会全体の動態を分析する「歴史人口学」．現代世界が抱える最大課題である人口問題（少子化・高齢化から人口爆発まで）にも重要な示唆を与える．その先駆的第一人
内容説明
近代的な「国勢調査」以前の社会において、その基層をなす人びと、家族といった身近な存在から人口を推計し、社会全体の動態を分析する「歴史人口学」。現代世界が抱える最大課題である人口問題（少子化・高齢化から人口爆発まで）にも重要な示唆を与える。その先駆的第一人者が平易に語り下ろした入門的概説書の決定版。
目次
序章 歴史と人口
第１章 歴史人口学の成立と展開
第２章 マクロ・データによる人口の趨勢
第３章 ミクロ・データによる近世日本の歴史人口学的考察（一）―信州諏訪地方の人口・世帯・家族復元
第４章 ミクロ・データによる近世日本の歴史人口学的考察（二）―美濃国安八郡西条村
終章 歴史人口学と家族史
著者等紹介
速水融［ハヤミアキラ］
１９２９年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。日本常民文化研究所研究員、慶應義塾大学教授、国際日本文化研究センター教授、麗澤大学教授を歴任。２００９年文化勲章受章。専攻、日本経済史・歴史人口学（本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです）
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感想・レビュー
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アメヲトコ
2
歴史人口学の入門書。市民セミナーでの講義録なので、とても読みやすい内容です。近世の宗門改帳からこれほど豊かな情報が読み取れるのかと感嘆します。Excelなんてものもなかった時代に手書きでデータシートをコツコツ入力することの苦労を思うと気が遠くなります。2015/02/26
ミッキー
1
FRF、BDS、ITSと言った統計を歴史から紡ぐ手法と、そこから浮かび上がる実態の雄弁さに大いに刺激を受ける。トッドも人口学者だったことを思い出したり、内容以外にも面白い。とても参考になります。2020/05/06
こずえ
1
江戸時代の宗門改から人口動態について解析していく本。 歴史人口学自体もおもしろいが宗教政策によって後世で研究しやすくなったのも面白い。何せ古代国家では偽籍・浮浪が相次いでいたのでこういうのの把握が中世よりずっと難しいので時代による差異をみてとれる
Yoshitate, Kaito
1
歴史人口学をヨーロッパから輸入し、日本でも同じ方法論に基いてかつての人口動態・人口静態を明らかにした著者による、歴史人口学への手引。他の本を沢山読んだ訳ではないので断言できないが、たぶんかなり良い方の入門書であると思われる。2013/11/28
nori1104
0
残された宗門改帳の分析から、江戸時代の人口動態や社会変動、さらには個々の庶民のライフ・ヒストリーすら描き出す様は読んでいてとても刺激的だった。2015/02/14
