内容説明
政治史と政治学を切り結ぶ理論とは何か。J・リンスの権威主義体制、開発独裁と政治体系危機(スペイン・イラン・韓国)、国家の生成と機能、古典的権力政治と現代的権力政治、帝国主義の政治理論という五つのテーマについて、国際政治史を専攻する著者の研究を集成し、かつ分かりやすく提示する。現代文庫オリジナル版。
目次
1 権威主義体制(権威主義体制とは;権威主義体制論の展開)
2 開発独裁(政治体系危機論;スペインの事例;イランの事例;韓国の事例)
3 国家(はじめに―「現代国家」の諸次元;国家と「領域」;国家と「利益調整」;ネイションとナショナリズム)
4 権力政治(「近代国家」;三〇年戦争;軍事革命と外交)
5 帝国主義(帝国主義の政治学―分析枠組と基礎概念;帝国主義の時代の国際政治―一つの政治的構図)
著者等紹介
高橋進[タカハシススム]
1949年生まれ。東京大学法学部卒。同助手を経て、同大学院教授。専攻は国際政治史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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politics
3
本書は権威主義体制や帝国主義といった国際政治史で扱われる概念・理論等を、多くの事例を用いながら纏められたものである。研究の進展によって更新されてしまってしまった理論等もあるかもしれないが、例えば帝国主義の理論説明では、主にヨーロッパの事例が扱われていたが、日本の植民地政策を分析する際にも有用ではないだろうか。2020/08/16
OTR
1
なかなかに難しかったが、権威主義体制、開発独裁、国家、権力政治、帝国主義、とよみといていく論文集。政治史とあって、理論としてまとまっているわけだが、開発独裁のあたりや帝国主義のあたりは、類例がわかりやすく、良かった。現代に氾濫する言葉として、こうしたものは多いけれども、定義としてあげておかねばならないであろう。2014/10/20
歌集
1
大学の専攻の関係で2年かけて読了。権威主義体制とされるフランコ政権の考察は面白かった。2010/10/22
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