内容説明
「ねえ、リチャード、あなたは何を研究しているの?」友達の奥さんがそう尋ねてきた。はてさて、どうする、ファインマンさん。物理が全然わからない人に、自分の研究を理解してもらえるか。それも、超難解で鳴る量子電磁力学を。光と電子が綾なす不思議な世界へ誘う好著。物理学者リチャード・ファインマン、面目躍如の語りが冴える。
目次
1 はじめに
2 光の粒子
3 電子とその相互作用
4 未解決の部分
著者等紹介
ファインマン,リチャード・P.[ファインマン,リチャードP.][Feynman,Richard P.]
1918‐1988。アメリカの物理学者。カリフォルニア工科大学教授。1965年、量子電磁力学の研究により、ノーベル物理学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gonta19
32
2011/9/10 Amazonより届く。 2013/9/12〜9/24 ファインマンが知人の素人女性に量子電磁力学を数式を使わずに説明しようとした講演会を文書化したもの。頭の良いファインマンらしい直観的に分かりやすい(といってもやっぱり難しいが)説明。大学時代、物理を志して挫折した私は、量子電磁力学までたどり着けなかったので、有名なファインマンダイアグラムの考え方を知れたのが収穫であった。いつも、この類の本を読んでおもうことだが、やはり私には物理学の才能は無かったということ。方針転換して良かった。2013/09/24
naotan
18
素人相手に懇切丁寧に量子電磁力学を解説してくれる稀有な一冊。文学部卒の私でも、わかったような気になってしまうのがスゴイ。2019/04/19
kaida6213
16
ファインマン先生の、素人向け量子電磁気学講演まとめ日本語訳。誰が聞きに行くんやという気がしないでもないが、確率振幅の計算をぐるぐる回る矢印の足し算など、数式を使わずに説明しているのは流石です。エッセンスはこれだけなんですよね、あとはひたすら積分をするお仕事。光の反射とか屈折とか身近な例を量子電磁気学で説明しているのも分かりやすくて○。2014/10/15
浪
12
ファインマンが量子力学を習っていない一般の人のために、数式を一切使わずに量子電磁力学(QED)を解説している。本書によると、時間の逆行やエネルギーを受け取る前に仕事をしてしまうなどマクロの世界では考えられないようなことがミクロ(量子)の世界では起こっているのだという。量子力学の世界はやはり面白い。一読しただけでは消化しきれていないので再読しつつ他の教材等でQEDの理解を深めていきたい。2019/02/28
赤い熊熊
11
もう何度目になるのでしょう。近年何度か読み返しているのですが、おそらく20代の頃に読んだときがいちばん理解が深かったでしょう。帯に「直感的理解」とありますが、そんなシロモノではなく、ファインマンは複素数たか積分とかなしで、しかし本気で量子力学を説明しています。解ったつもりにさせる数多の本とは全くレベルが違います。ついでながは、「量子力学は完璧に解ります」っていう非物理系の理系は怪しい。2017/07/13