内容説明
江戸文化がもつ奥行きに光があてられるようになった。本書は近松、西鶴、歌麿らの作品に庶民の倫理意識、美意識、政治批判意識の反映をさぐり、経験的合理主義の発達と新しい人間の誕生を描きだした定評ある文化史研究の成果。「京都・堺・博多」の三都市の様相を分析した論文を新たに付す。
目次
近世の庶民文化(庶民文化序説;西鶴論;歌麿の大首絵)
京都・堺・博多(都市の景観と規模;都市の発展と自治;都市の豪商たち;三都市論)
著者等紹介
高尾一彦[タカオカズヒコ]
1924年、大阪府に生まれる。京都大学文学部史学科卒業。神戸大学で日本近世史を講じ、近世庶民文化研究の分野で数多くの問題提起的な論文がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
金吾
18
西鶴と歌麿を、軸にしていてあまり知らないことだらけなので面白かったです。ただ庶民文化に政治批判を組み込んでいる部分はやや違和感を感じました。2023/04/21
浅香山三郎
12
近世史の中で、文学作品から時代精神を問ふやうな研究視角は今盛んなのかだうか。寡聞にして知らない。一読したが、色んな意味で難しかつた。多分テキストの内在的な読みから分析された議論の妥当性を判断する材料がこちらになく、著者もテキストの外にある当時の研究状況を余り引用しないからなのかも。付論の「京都・堺・博多」も面白いが、今の研究に比べてだうかといふことを考へてみねばなるまい。2018/06/17
i-miya
0
阿部次郎1923帰国、ルーブル博、歌麿、写楽 浮世絵、しかし・・・、日陰の芸術、人の心を誉める、倫理意識、美 意識、政治批判意識<2. 元禄庶民の人生観>西鶴、循環論的人生観、博多商人 島井宗室、16C堺商人、フランシスコ・ザビエル、1549書簡、ガスパル・ヴィレラ<3. 朱子学イデオロギー>林羅山「三徳抄」、智、仁、勇、堅固、才覚、始末、分別、日本永代蔵、ー大福新長者教ー「世間胸算用」(西鶴)「出世景清」1688<6. 愛情の美と倫理><9. 農村における庶民倫理>河内屋可正(よしまさ)顕証寺ー善念寺、2007/02/22
-
- 和書
- 癒される人生は必ずある