岩波現代文庫
「挫折」の昭和史〈上〉

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ 文庫判/ページ数 299p/高さ 15cm
  • 商品コード 9784006001407
  • NDC分類 210.7
  • Cコード C0121

内容説明

大正・昭和初頭の都市モダニズムは満州で開花し、戦時下の文化・スポーツ活動に結実した。その担い手は林達夫、小泉信三、岡部平太、竹中英太郎ら、「挫折」を経験した人々であり、石原完爾を中心とする知的水脈と共鳴した。近代の隊列から横へ足を踏み出した人物たちの中に日本人の生き方のもう一つの可能性を探り出すという、知のオデッセイの試み。

目次

1 「挫折」の昭和史―エノケンから甘粕正彦まで(白井鉄造と甘粕正彦のフランス;白井・エノケン・ロッパ ほか)
2 戦争と“知識人”―名取洋之助から富塚清へ(名取洋之助の活動;日本工房の人々 ほか)
3 スポーツの帝国(一)―小泉信三とテニス(小泉信三とテニス;岩波書店と小泉 ほか)
4 スポーツの帝国(二)―岡部平太の“満州”(岡部平太のアメリカ体験;岡部平太の「満州」 ほか)
5 絵師と将軍(絵師竹中英太郎;浅原健三の水脈 ほか)

著者等紹介

山口昌男[ヤマグチマサオ]
1931年北海道生まれ。55年東京大学文学部国史学科卒業後、東京都立大学大学院で文化人類学を専攻。東京外国語大学、静岡県立大学、札幌大学の教授を歴任。「中心と周縁」「スケープゴート」「道化」などの概念を駆使して独自の文化理論を展開している
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

この商品が入っている本棚

1 ~ 1件/全1件

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

石橋

1
「『敗者』の精神史」の知的興奮が凄かったので、直ちに続いてこちらも読む。取り上げられる人物に対する基礎知識が足りないせいか、前作のような盛り上がりには欠けたが、石原莞爾関連は予習十分なので下巻に急ぐ。2020/06/01

∃.狂茶党

1
平凡社、甘粕、竹中英太郎、石原莞爾、満州、右翼、アナキスト、様々なキーワードが入り乱れる連作。あれもこれもと紡がれていく中で、時代が切り取られていく様は、洗練された芸のよう。2019/08/10

bittersweet symphony

1
このところしばらく近現代日本の各界人物のリレーションを回遊する仕事をしている山口氏ですが、氏のこのジャンルにに関する著作は今回が初めてです(ムック版の人物伝やNHKのテキストは体験済みなのですが、文庫・新書に限定すると紹介されだしたのがここ数年のことですね)。1990年前後の「ヘルメス」に連載されていたものなので、当時読んでいた可能性はあるのですが記憶にありません(実家に残っているかどうか)。2005/12/21

gkmond

0
いろんなやつつなげて「面白いでしょ」って言ってる本。文献紹介本としてはまあまあなのかもしれないが、山口昌男ってこの程度のことしか考えてなかったんだという印象が強い。竹中英太郎を扱った第5章はまあまあ面白かった。2023/09/27

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/155481
  • ご注意事項

最近チェックした商品