内容説明
無名の師―。そう呼ばれた軍事行動が歴史の転換点となった。革命下のロシアをめぐり列強の策謀が渦巻く。義を標榜する日本の侵攻は、やがて来るアメリカとの破局の淵源をなすにいたった。派兵がもたらすもの。その示唆に富む例証がここにある。名著の誉れ高き書がよみがえる。
目次
第1章 プランの提起
第2章 日本と大陸政策
第3章 干渉への鍵
第4章 二重外交
第5章 ウイルソンの決定
第6章 原敬と伊東巳代治
第7章 決定につづくもの
著者等紹介
細谷千博[ホソヤチヒロ]
1920年生まれ。国際大学名誉教授、一橋大学名誉教授。日本学士院会員
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感想・レビュー
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dongame6
6
第一次世界大戦中に起きたロシア革命。満州の利権を巡って争っていたロシア勢力の一時的な消滅によって大陸に生じた真空状態を「千載一遇の好機」と捉える陸軍、外務省の一部勢力と、対米協調の観点からこれに反対する政界の動きを主題に据え、日本がロシア革命の勃発からどのようにしてシベリア出兵に至ったのかを、ドイツとの戦争を抱える英仏、日本の大陸進出を警戒する米国の思惑等を交えながらその流れを追っていく非常に興味深い一冊。「無名の師」と言われ、語られる機会の少ないシベリア出兵について非常に勉強になった2012/09/21
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