出版社内容情報
硬直した左翼史観と反動的な歴史学に抗し,科学的で血の通った近代史研究をめざした歴史家井上清の軌跡は,学界の狭い枠を超えた広範な分野におよぶ.第1巻は戦前から単行本未収録論考でたどる明治維新論集.(全4巻)
感想・レビュー
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bittersweet symphony
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左派日本近現代史学者の編年式論文集の第一巻。初期のフェミニズム・労働問題の観点からの論文が20代の頃のものだったのでちとびっくり。社会諸階層が歴史の流れにどういう影響を及ぼし得たかという視点がなければいけないという基本姿勢は概ねただしいかと思います(単純なマルクス主義史観とも違います)。この時期の志士たちの権謀術数・政治工作の応酬は題材としてとても面白いですね(坂本龍馬と中岡慎太郎が暗殺された時、討幕の方針を巡って言い争っていたのではないか、と言う想像も劇的でよい)。2005/03/18
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