出版社内容情報
芭蕉の句には自身の内面に向けてのよびかけの表現が多い.蕪村の否定の表現は詩心を尖鋭化している.著者は句の表現に着目し学際的な成果を作品解釈に活かす.それは俳諧を普遍的な文芸史の中でとらえようとする試みである.
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
かふ
15
蕪村の否定表現は否定することでより世界が広がっていくという。例えば見えない花の匂いはどこまでも広がっていくとか。見えるものだけの世界ではない世界を表すのに否定的なコトバを使う。それは蕪村が水墨画から学んだことで消していくことで余白を作り世界を広げることに通じるという。芭蕉の方はそれほど蕪村のときほど面白い表現はなかったような。反復とか当たり前過ぎで、あまり驚きはなかった。全体的に言葉が難しくて、理解するのに苦労する。蕪村の項で佐藤信夫『レトリック感覚』を紹介していたが、そっちを詠んだほうが勉強になるような2023/10/14
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