出版社内容情報
東西の古典に通暁した碩学による明快率直な論語の新解釈.テキストとしての成立過程と2000年にわたる訓古学の歴史を見据えながら,目の醒めるような大胆な推理によって市井の教育者孔子の発言の真意を復元する.小倉芳彦解説.
内容説明
東西の古典に通暁した碩学による明快率直な論語の新解釈。論語のテキストとしての成立過程と二千年にわたる訓詁学の歴史を見据えながら、市井の教育者孔子の発言の真意に迫る。伝統的な注釈に縛られずに生きた言葉のリズムや文体を吟味し、大胆な推理によって、目の醒めるような新しい読みを提示する。
目次
論語の学而第一
論語の新しい読み方
東洋史上に於ける孔子の位置
中国古代における天と命と天命の思想―孔子から孟子に至る革命思想の発展
論衡正説篇説論語章稽疑
論語を読んだ人たち
『論語と孔子の思想』(津田左右吉著)
私の論語解釈と浜田先生
「論語読み」の愉しみ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
おはぎ
10
論語について著者の該博な知識のもと様々な解釈やときには現在伝わる原点の修正を行う。様々な文をまとめたものなのでややまとまりがない感じもあるが、どことなくユーモアを感じさせる書き振りで一気に読めた。2024/11/30
可不可
3
薄くでも、漢文を一通りかじった人には、たまらない面白さがある本でしょう。ぼくの場合は、吉川幸次郎の『論語』をテキストにして、ある大学教授から約3年にわたって講読していただいた経験などがあります。■目からうろこの連続でした。たとえば「君子」の解釈。「諸君は~してほしい」という意味だという指摘には、何枚もうろこが落ちた。■この本を読んで少し準備できたので、次に『論語の新研究』を読むつもり。単行本のほうは旧字なので、新字で読みやすい全集のほうで読むつもりでいます。2023/11/09
Seele
2
再読。資料検討を通じて、「儒教」の「聖人」としてではなく、その時代の市井の職業教育家とその言行録として「論語」と「孔子」を読み解く本。前提として、従来の経学解釈をある程度見知った上で、それを批判検討するスタイルなので、その分敷居は若干高くなるかもしれず。それでも正直なところ、いわゆる超訳によらず現代語訳でまともに読めることに関して、好感が持てる。2021/08/20
nureyev
2
孔子が生きていた頃の社会状況と論語の成立過程、そして後世の思想家との対比などなど、論語をより良く理解するための内容が盛り沢山 特に印象深かったのが「論語を読んだ人たち」の五十沢二郎氏の訳の紹介 論語とキリスト教を結びつけようとする非常にユニークな解釈で、意外にもこの解釈に対して宮崎先生は肯定的な立場を取る 古典の受け止め方とはこういうことかと目から鱗が落ちる思い 一度論語は通読したが、再び読み直したら今度はどんな受け止め方に変わるのか楽しみ2011/07/12
R
2
新しい山の登り方を書いた本です2009/09/11