出版社内容情報
野生生物を守るのは簡単ではありません。複雑な生態系のバランスを保ち、多様な生きものがいる豊かな自然環境を維持するために、ときには外来生物などを駆除するという、つらい選択をしなければならないこともあります。日々悩みながら命と向きあう現場の人たちを取材し、人と生きものとの共生のあり方を問いかけます。
内容説明
野生生物を守るのは簡単ではありません。複雑な生態系のバランスを保ち、多様な生きものがいる豊かな自然環境を維持するために、ときには外来生物などを駆除するという、つらい選択をしなければならないこともあります。日々悩みながら命と向きあう現場の人たちを取材し、人と生きものとの共生のあり方を問いかけます。
目次
第1章 人気者が広げた波紋
第2章 専門家だって悩んでる―「かわいそう」の線引き
第3章 調べるのも守るのも簡単じゃない
第4章 生きものたちのつながり
第5章 命に向き合う責任
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ykshzk(虎猫図案房)
28
子ども向けの本だが学ぶべきところが多い。タイトル通り、やさしさや同情で自然は守れない。私がいつも思うのは、動物番組などで無闇に感情的で幼稚なナレーションを入れないで欲しいということ。音声に引っ張られて、思考が停止してしまう。作り手は、残酷なシーンでも淡々と無音声で流す海外のドキュメンタリーのような感じだと日本人にはウケないと思うのだろうか。この本で考えさせられたのは「外来種」という言葉を覚えた子どもが、自然教室でアメリカザリガニを見つけた時「外来種だから殺していいんだ」とその場で足で踏みつけたということ。2024/09/18
Nao Funasoko
19
ここ数年興味を持っているテーマを扱った新書。第2章「専門家だって悩んでいる」そうだよなあ、真剣に取り組んでいる方たちほど悩みは深いだろうなと思う。 また、同章中の小見出しにある「白黒つけられないろころに大事なものがある」があるは、本テーマに限らず他にも当てはまる普遍的なことなんじゃないかなと心に残る。 岩波のジュニア新書や筑摩書房のプリマー新書といった若い層向けの新書は、広く網羅的にフラットに解説してくれるので理解しやすいから好き。2024/08/16
Midori Matsuoka
14
近年話題になっている野生生物の保護や捕獲・駆除に関わる人たちに取材をしながら、命と向き合うことの難しさについて真摯に向き合っている。 「かわいそうだから」保護する、「外来生物だから」殺してもいい、という短絡的な考え方ではなく、その地域の何を保護するのか、その生物を駆除することで生態系はどう変化するのか、と多方面に考え、時に悩み、色々な考え方と対峙しながら活動をしていっている様子がよくわかる。 マングース根絶のニュースを最近見たけど、そのことも取り上げられていた。大阪の淀川河口に漂着したクジラのことも。2024/09/19
ののまる
10
生物も人間社会も多様性が大切。 現場で活動している人たちの実際の苦しみや悩みなどが取材されいて、それがとてもいいな。2025/03/14
おさと
9
害獣、害獣駆除。人間の都合でただただ殺してしまっていいものなのか…モンモンとしている昨今。「専門家だって悩んでる」答えは出ないけど、いろいろな考え方を知って思索を深めることが大事なのかな。2024/08/23
-
- 和書
- 父と母と - 詩集