出版社内容情報
21世紀に起きた大国による軍事侵攻を若い世代はどのように受け止めているのでしょうか。衝撃、不安、怒り、苛立ち、不信、そして自分に何が出来るのかを模索する若者たち…‥。各地の高校生に率直な思いを聞きました。若い世代が戦争と平和について共に考えるための一冊です。
内容説明
21世紀に起きた大国による軍事侵攻を若者たちはどのように受け止めているのでしょうか。衝撃、不安、怒り、苛立ち、不信、果たして自分に何が出来るのか…。各地の高校生に率直な思いを聞きました。若い世代が戦争と平和について共に考えるための1冊です。
目次
いま、私たちにできること(東京都立国際高等学校)
歴史を学ぶ、言葉を学ぶ(早稲田佐賀高等学校)
ウクライナ人少女との交流から(愛知県立豊田南高等学校)
この戦争とどう向き合うか(渋谷教育学園渋谷中学高等学校)
知ることが大事(玉川聖学院高等部)
ウクライナ情勢をどう見るか―学問と文化の視点から(奈倉有里)
二一世紀の理不尽な戦争をどう考えるか(池上彰)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アキ
119
高校生の座談会とロシア文学の翻訳者である奈倉有里、ジャーナリスト池上彰の論評から成る。高校生が指摘している通り、世界の紛争の中でウクライナ戦争だけで本ができるのはそれだけでバイアスを感じるが、参加している高校生が海外の居住経験やハーフの子も意外と多く、様々な意見があった。やはり奈倉有里氏の「なぜ起きたのかの答えは、止めるべき時に権力者を止めることができない社会構造になっていたからだ」という意見が一番腑に落ちた。なぜ国家の権力構造が暴走してしまうのかを知るのに、ロシア政府の歩みはお手本の山になるのです。2023/05/17
けんとまん1007
52
ある意味、同じ状況にある。どんな情報を得ているのか・・。何を知っていると思っているのか。それを踏まえても、自分自身を考える。感情面も含め、命というもの、家族、故郷というもの。2023/09/23
ちゅんさん
39
ウクライナ戦争について高校生の座談会をまとめた本。ある生徒が“まずは知ることが大事、知ることでそれに対する行動が少しでも変わるから”と言っていたのが印象的。私もそう思う。いろんな情報を集めて自分の頭で考えて自分の意見を持つことはとても大切だ。最後の奈倉さんと池上さんの解説もとても良かった。中高生にぜひ読んで欲しい一冊2023/03/11
kan
26
10代の子が考えるロシア・ウクライナ戦争はリアルにこんな感じだ。自分事として受け止めるには幼く、個人的な経験がすべてで視野が狭い。その中で、早稲田佐賀の生徒さん達はよく勉強しており冷静な視点が光る。都立国際はウクライナの子の話がもっと聞きたかった。別の都立だが私のクラスにウクライナから避難してきた生徒が去年転入してきた時は、当然聞けなかった。このような場への参加を了承した彼女の勇気を称える。奈倉有里さんの言葉が鋭い。権力者に、手にした武力を暴発させない社会構造を作る努力を私たち市民がしなければならない。2023/06/05
鯖
26
偏差値高めな高校生たちによるウクライナ戦争の座談会本。ウクライナ気の毒一辺倒ではなく、ロシアの民衆にも思いをはせて心配していたり、やウクライナだけが忖度されてる現状にも触れていたりとフラットな感じ。独裁者の暴走を止める仕組みが存在しないからこその独裁国家ではあるんだけど、どうカタつけることになるんじゃろ…。大日本帝国には曲がりなりにも独裁者(それも独裁者というには弱すぎるがゆえの暴走だったようにも思える)の上とされる存在があったけど、ロシアにはなあ…。2023/05/28