出版社内容情報
田村 宏治[タムラ コウジ]
著・文・その他
内容説明
「進化しているのは形ではなく形づくりである」、これはいったいどういうことなのでしょう?形の進化とはなにか、動物がどのように進化を続けてきたのかを進化発生学の見地から、わかりやすく解説します。はたして鳥は恐竜から進化したのでしょうか。キーワードは、「エンハンサー」です。さあ、謎を解明する旅に出発しましょう!
目次
1章 動物は生まれてくるもの
2章 料理の達人「エンハンサー」のアレンジ采配
3章 動物は細胞ひとつ作ったことがない
4章 進化したのは形態ではない、形づくりなのだ
5章 鳥エンハンサーによる鳥づくりと恐竜から鳥への進化
6章 水中から陸上への脊椎動物の大進化とエンハンサー
著者等紹介
田村宏治[タムラコウジ]
1965年、栃木県宇都宮市生まれ。東北大学大学院生命科学研究科教授。88年、東北大学理学部生物学科卒業。93年、同大学理学部大学院博士課程修了、博士(理学)取得。同大学大学院理学研究科助手、米国ソーク研究所研究員、東北大学大学院生命科学研究科助教授、を経て、2007年より現職。学生時代から一貫して脊椎動物の付属肢の発生・再生・進化の研究を行っている。2018年に日本動物学会賞と日本進化学会賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
sankichineko
8
高校から大学レベルの生物学の内容が含まれると思うが、初歩から解説してくれている。指番号のパラドクスの解説が非常に分かりやすかった。岩波ジュニア新書はレベルが高すぎて中高生には読めないから難易度を下げるべき、との意見を聞いたことがある。たしかに中高生なら、全部理解出来るのは20%、半分くらい分かるのが60%、全く理解不能が20%くらいか。でも少しでも理解できれば、大学でこの分野を勉強したいと思うかもしれない。全く理解できなければもっと簡単な本を読めば良いのだから、岩波はぜひこの方針を貫いて欲しい。2023/01/09
紅花
6
エンハンサー面白いけど、難しい。今までは、遺伝子の転写、タンパク合成や遺伝子が子孫に伝わる仕組みを読んだけど、実際に遺伝子がどう使われるのか?はまだまだ奥が深すぎて、面白いけど難しい。2022/08/01
Go Extreme
3
動物は生まれてくるもの: 脊椎動物 体は「ちくわ」 生まれる=発生する 37兆個の細胞のかたまりにならないわけ 発生のメカニズム 料理の達人「エンハンサー」のアレンジ采配: タンパク質 レシピ ゲノム エンハンサー 動物は細胞ひとつ作ったことがない: 動物って一度も途絶えたことがない 遺伝情報 進化したのは形態ではない、形づくりなのだ: 赤ちゃんの手 四肢の形づくり 形づくりの仕組みをずらすための仕組み 鳥エンハンサーによる鳥づくりと恐竜から鳥への進化 水中から陸上への脊椎動物の大進化とエンハンサー2022/05/21
乱読家 護る会支持!
2
エンハンサーとは、ある遺伝子がどこで(心臓か、筋肉かなど)発現させるかを決めるゲノム配列。ゲノム配列の中に、数万個以上のエンハンサー配列が散りばめられている。 鳥類固有のエンハンサー(鳥エンハンサー)を恐竜も使って発生していたとすれば、恐竜と鳥類の祖先は同じになる。 以前、東北大学のオンライン授業を見ていたので、本の内容はなんとなく理解しましたが、この本だけで内容を理解するのは難しいと思います。 岩波ジュニア新書を読むような中高生が理解するのは、なかなか難易度が高そうです。2022/10/16
むーみん
2
著者が講師を務めるeラーニングの講座を視聴した直後だったので、かなり飛ばして読んだが、しっかり整理できてヨカッタ。40年くらい前に生物学を学んだ身としては、この内容がジュニア新書として刊行されていることに、かなりの焦りを感じる。2022/08/07