出版社内容情報
男性学の視点から性によって固定化されている生き方をとらえなおし
内容説明
性別によって求められる役割や進路選択、期待のされ方が違う日本。そのことに気が付かぬまま、また「男らしくあれ」という見えない圧力に窮屈な思いをしたまま大人になる若者も多い。男性学の視点から進路・生き方をとらえなおすとともに、若者へのエールをこめて新しい男子のありようを提言する。
目次
第1章 日本社会で「男」として生きること(男子がスカートに着替えたら;ジェンダーとは何か ほか)
第2章 「男は仕事、女は家庭」の過去・現在・未来(性別役割分業の歴史;「夢」としてのサラリーマン ほか)
第3章 泣けない男の一生(“男らしさ”と涙;コミュニケーションの深度 ほか)
第4章 「やさしい」のに「やさしくない」日本社会(ジェンダーの視点から社会を見る;なぜ多様性が重要なのか ほか)
著者等紹介
田中俊之[タナカトシユキ]
1975年生まれ。大正大学心理社会学部准教授。博士(社会学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
コウメ
62
男性っていう生き物が結構分かった本。前半は進路について説明されており、後半はジェンダーについて書かれていた。/進路については、難関大学に合格すれば、次は一流企業と、次は社内成績と果てのない課題があるとのこと。選択肢は逆に狭まっているという結論!まわりの意見に呑み込まれずにしっかりと考える必要がある。/ジェンダーについては、幼稚園の先生を例に書いてあった。どこか男性が女性に対して軽く見ているのではないかということ。その理由として「男は外、女は家」という昔ながらの考え方が多くある一種のお手伝いさんと見てる。2019/09/04
たまきら
38
日本だけではないかもしれません、この「Promising young men」症候群。エリート教育もリーダー教育も男子に集中していて、娘がいるおばちゃんとしてはムッとするところなんですが、ちょっと待って男子だって辛いんだよ!の視点、大変気づきになります。平等って本当に難しい。もっと男性側からも我慢しないで言ってほしいな。相互理解が進まないと議論にすらならないもの…。2023/11/06
ぐっち
25
男子から見たジェンダー論。女子の生きづらさはさんざん言われてきたが、男子もたいがい生きづらいらしい。「進学校」に行って「難関大学」に行って「一流企業」に入る、のフレーズが何度もくり返されていて、かえって印象に残った。2019/09/16
風香
19
10代向けに男性学や、ジェンダーの入門として書かれた本。幼少時より刷り込まれた性別役割分業について、自分の親や、自分自身にも思い当たることがあった。 そして、社会では未だに現在進行形であり、残念なことにすぐに状況は変わらないと分かっている。 「この本読んで良かったよ!」と言った高校1年の次男が大人になる頃には少しでも日本社会が変わっていることを願う。 自分自身も変わっていかなければと思う。 「相手に変化を期待するのならば、こちらも変わらなければなりません。」 教科書に掲載しても良いのではと思う良書。2021/10/25
エリク
19
最近の社会問題について、書いてありました。 男子は、仕事。女子は、家事。ていうのは、もう遅い2019/09/21