出版社内容情報
オウムを長年取材してきた著者が
内容説明
家族や友人とのつながりを捨てて、「オウム」に入信し、陰惨な事件にかかわっていった若者たち。一連の事件がなぜ起きたのか。凶悪な犯罪を起こした彼らは、特別な人間だったのか。長年、事件を取材してきた著者が、カルト集団の特徴や構造を浮き彫りにし、集団や教義を優先するカルトに人生を奪われない生き方を説く。
目次
1章 悩みの隣にオウムがあった(グル、グル、グル;教祖、麻原の生い立ち ほか)
2章 オウムを生んだ社会(日本沈没とノストラダムス、そしてジョナサン;バブルの時代 ほか)
3章 ある元信者の手記(生い立ち;きっかけは一冊の本 ほか)
4章 オウムに引き寄せられた若者たち(学歴と劣等感―井上嘉浩の場合;恋愛禁止 ほか)
5章 引き寄せられる前に(教祖と弟子の逆転;すべては教祖の思いつき ほか)
著者等紹介
江川紹子[エガワショウコ]
1958年、東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。神奈川新聞社の社会部記者を経て、フリージャーナリストに。新宗教、災害、冤罪のほか、若者の悩みや生き方の問題に取り組む。95年一連のオウム真理教報道で菊池寛賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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kinkin
121
地下鉄サリン事件などで麻原彰晃はじめ関係者が死刑を執行されてまもなく3年になるのだなあ。たとえ執行されても被害者が元に戻ることはなくほんとうに虚しい事件だった。ジャーナリストの江川紹子氏がオウム真理教というカルト集団のこと、事件の概要そして事件に関わった人物の手記をもとにした彼らの人物像などで構成されている。人物像を読むと彼らの多くは高学歴で化学の専門家や医師、物理学に長けた人であり本来は社会にその力を注いでいたはずだ。なぜオウム真理教に入信することになったのかが克明に書かれていた。図書館本2021/04/21
榊原 香織
63
最近また名前をよく聞く江川女子。 オウムの起こした事件一覧見てたら、江川ホスゲン、何だろ?と思ったら、江川女史も毒ガスで狙われたんですね(刑事事件として立件されず)2022/08/04
ニッポニア
56
聞き読み。重要な本です、カルトに取り込まれないために、小・中学性こそ、読んでおくべき。誰しもが心に穴が開くときがある、そのタイミングを狙ってカルトは染み込んでくるのです。重要なのはここです、「ドアをノックして入ってくる」ではなく、「勝手に染み込んでくる」のです。だから防ぎようがありません。我々は、染み込んできたものが何なのか冷静に判断できるよう、事前に知っておくしかないのです。まず話そう。なんでも話せる土台を築くしかない。2022/12/24
クリママ
45
白の上下に変なかぶり物をした選挙運動、超能力を唱った必死の形相で宙に浮かぶ写真、あんないかがわしいおやじに、どうして高い能力、真摯な気持ちを持ち、恵まれた家庭で育った青年が取り込まれてしまうのか。青少年向けに書かれた本書は、オウムが起こした事件のあらまし、当時の社会状況、実行犯の思いが、わかりやすい言葉で書かれている。「タイミングさえ合ってしまえば、誰しもカルトに巻き込まれてしまう可能性がある。」カルトの巧妙なマインドコントロールを受け入れないためには、まず立ち止まって自分の頭で考えることが大切なのだと。2025/03/01
ちゅんさん
44
最近起きた事件がきっかけでカルトについて知りたくて読んでみました。"何かおかしいなと思ったら一度立ち止まって考えて欲しい"、"疑念や疑問を感じるその感受性を大切にして"などオウム元信者の言葉は重い。この本は若者に読んでほしい、自分は大丈夫だと思ってる人にも。私が今までカルトと無縁でいられたのはただ運が良かっただけかもしれない。2022/09/02
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