内容説明
二千年に及ぶ歴史を通じて、欧米の文化の精神的支柱としての役割を果たしてきたキリスト教。本書を読めば、ユダヤ教を母体として生まれ、独立した世界宗教へと発展し、諸教派に分かれていったその歴史と現在や、欧米の歴史、思想、文化との深い関係を学ぶことができます。現代の世界を理解するために役立つ、教養としてのキリスト教入門。
目次
第1章 ユダヤ教とキリスト教
第2章 ナザレのイエス
第3章 キリスト教の成立
第4章 キリスト教の発展―キリスト教の西と東
第5章 ローマ・カトリック教会
第6章 東方正教会
第7章 宗教改革とプロテスタント教会
著者等紹介
山我哲雄[ヤマガテツオ]
1951年、東京生まれ。北星学園大学教授。同大学大学院文学研究科教授を兼任。北海道大学文学部非常勤講師。専攻は聖書学、宗教学、キリスト教学。日本聖書学研究所所員。学会関係では、日本宗教学会評議員、日本基督教学会理事、日本旧約学会会長などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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本屋のカガヤの本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナーキー靴下
64
ずっと後回しにしていたが、『田園交響楽』の副読本にと思い、併せて読んだ。教義にさらっと触れながら、西洋の文化・歴史と不可分なキリスト教の流れを教えてくれる良ジュニア新書である。律法主義のユダヤ教、中央集権的なローマ・カトリック教会、国家や民族と結びついた東方正教会、聖書主義で善行より信仰のプロテスタント、と、ざっくりながらイメージを掴めた。ところで今までイエスの宣教活動(や特にエルサレムでの大暴れ)を自分こそが正当であると主張しているように思っていたが、『田園交響楽』読後、イエスの批判精神と感じた。2024/07/18
ちゅんさん
51
書名の通りキリスト教初学者向けの入門書ではあるが若干情報が多いような気がするし言葉も難しい。宗教の説明なので仕方ないことかもしれないがジュニアが読むにはハードルが高いと思う。私がジュニア時代読んでたら途中で挫折してただろう。この手の本はいかに対象に興味を持たせて最後まで読ませるかが肝要だ。著者のキリスト教への想いは伝わるがそれが独りよがりなってはいけない、ジュニア新書なんだから。大人が読むにはとても良い入門書だと思うが。2021/12/12
venturingbeyond
44
担当の「倫理」で、高校生向け参考図書の選書目的で読了。ジュニア新書らしく、簡明で手堅い叙述。後半のカトリック、東方正教、プロテスタント各宗派の特質をまとめた三章も、宗派の異同を大掴みに捉えることができるコンパクトな叙述で参考になるが、やはりユダヤ教の文脈から生じたキリスト教が世界宗教となっていく過程を論じた前半の四章が、とてもリーダブルで、教科書の無味乾燥な叙述の行間を充当し、ユダヤ教・キリスト教理解を深めるものになると思われ、西洋思想に興味をもった生徒に一読を薦めたいところ。2021/08/07
まあか
34
以前から、本や映画、キリシタンの恩師の影響で、キリスト教とは何ぞや?と興味を持ちつつ、何も知らぬままに過ごしてきた。たまたま図書館の児童書コーナーで本書を見つけ、児童書ならば!と軽い気持ちで借りてみた。結果、なかなか肉厚、本格的な内容で、己の無知を恥じ、学びたい欲求が駆り立てられることとなった。頭の中はぐちゃぐちゃで内容の1割も理解できたとは言い難い。世界史も大きく関与していて、もっと勉強しておけばよかったと後悔は尽きない。まあ、懲りずに再読したり、聖書を読んでみるなど、あくなき探究心は残しておきたい。2020/07/26
Nobuko Hashimoto
32
キリスト教主義のガッコに長々と通いながら、実はわかっていないことがたくさんあって気になっていたことを書斎でふと見つけたこの本が次々解消してくれた。いつ誰が買ったのか定かではないのがまたミステリアスだが、まさに降りてきたのかも。親しみのもてる文章で、とにかくわかりやすい!あまりに面白かったので、同じ著者の本をすぐ発注。今度は旧約聖書の謎に迫る!(笑)ブログにメモなど。https://chekosan.exblog.jp/30419396/2021/02/06