出版社内容情報
力学が美しいのは,人間による知的創造の典型だからだ.地上の運動である落下運動の法則を発見したガリレオ,宇宙の運動である惑星運動の法則を発見したケプラー,二つの運動を万有引力によって統合したニュートン.三人が生きた土地や残した著作をたずね,自然の中に存在する力学がどのように発見されていったのかを探る.
内容説明
力学は美しい。それは人間による知的創造の典型だからだ。地上の運動である落下運動の法則を発見したガリレオ、宇宙の運動である惑星運動の法則を発見したケプラー、2つの運動法則を万有引力によって統合したニュートン。自然の中に存在する力学をどのように発見していったのか―3人の著作や足跡をたどり、創造の源をさぐる。
目次
第1部 ガリレオの発見(ピサの斜塔と落下運動;慣性の発見;地動説と天文観測)
第2部 ケプラーの発見(宇宙には美しい幾何学的な調和がある;円から楕円へ;宇宙の和音を求めて)
第3部 ニュートンの発見(ニュートンのりんご;美しい力学の理論体系;万有引力、時間、空間)
著者等紹介
高野義郎[タカノヨシロウ]
1925年大阪市生まれ。京都大学理学部卒業。湯川研究室。横浜国立大学名誉教授。理学博士。理論物理学専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nbhd
15
ニュートンさんが突如として万有引力の法則や微分法を閃いたわけではなく、その前段としてケプラーさんによる膨大な観測と計算があり、さらに、ケプラーさんの前段には、お師匠のティコ・ブラーエという人がいて、ケプラーさんより膨大な観測記録を残していた、というお話。2021/04/26
壱萬参仟縁
10
125頁の図式は、デザイン的にもユニーク。ケプラーの『世界の調和』は素晴らしいと思う。三角形、四角形、五角形、十二角形などで成り立つ、空間図形。月が地球の海水におよぼす引力の差が潮汐をつくる(図9.2、216頁)。2013/06/28
ピエール
1
力学大系を作り出したガリレオ、ケプラー、ニュートンの仕事が紹介されています。合間合間に、彼らの育った土地や、学んだ町を紹介しているのも、ちょっと異国を垣間見た気がしてとても素敵です。肝心の仕事の内容の紹介については、もう少し詳しくても良かったのではないかと思います。 特にケプラーの法則の部分は(それを調べたかったので)2013/10/08
takao
0
うーん。2016/10/30
owatarium
0
Galilei,Kepler,Newton の考えや彼らがつくった力学の理論が平易な言葉で説明されている.難しいことは一切書かれていなくて,中高生向けにわかりやすくお話しようという具合だ.高等学校の物理の教科書のほうが難しいだろう.また,彼らが生きた町についても紹介されている.著者は実際に町を訪れたらしい. 題を見て,力学の発見に至るまでのかっちりした科学史的な本かと勝手に思って,中身を確認せずに買ったのだが,そういう類の本ではなかった.2014/08/02