出版社内容情報
とにかくおもしろい芥川龍之介、こんな文章を書けたらすごい志賀直哉、目を見張る中島敦。子どものとき落語全集と銭形平次捕物控で短編のとりこになった著者は、好きな小説を読み漁っていく。自らの体験を通じ、また短編の作り手の視点から、ぜひ触れてほしい作品をすすめる。脳に確かにしみこむ若いときの読書は大切だ。
内容説明
とにかくおもしろい芥川龍之介、こんな文章を書けたらすごい志賀直哉、目を見張る設定の中島敦。子どものとき落語全集と銭形平次捕物控で短編のとりこになった著者は、好きな小説を読みあさっていく。自らの体験を通じ、また短編の作り手の視点から、ぜひ触れてほしい作品をすすめる。
目次
第1章 短編小説は礼儀正しい
第2章 とにかく芥川龍之介
第3章 ミステリーはいかが?
第4章 不思議な頭のアラン・ポー
第5章 美しい自己中心
第6章 ユニークな短編たち
第7章 週末は松本清張を
第8章 エロスでドキドキ
第9章 ショートショートを短く
第10章 乱れうち一五作品
著者等紹介
阿刀田高[アトウダタカシ]
1935年東京都生まれ。早稲田大学文学部仏文科卒業。小説家。国立国会図書館司書を経て、1978年『冷蔵庫より愛をこめて』でデビュー。短編集『ナポレオン狂』で第八一回直木賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
タルシル📖ヨムノスキー
25
読書を始めた頃から考えると、だいぶ長い小説も読むようになったけれど、やっぱり短編小説が好き。特にバラバラだと思っていた物語がゆるーく繋がり、最後にギュッと凝縮する連作短編集。「短編小説は、長くても2〜3時間で完結する。決してお邪魔にならない礼儀正しい物語」という一文に共感。読書は最も安価で手軽に始められる趣味。本を読む理由については「楽しいから読む」と一言。これについては拍子抜けというか、「あっ、趣味なんだから、そんなんでいいんだよね」って感じ。本を読むことにたいそうなお題目なんて必要ないんだ。2021/06/15
とめきち
9
ジュニアに短編小説の素晴らしさを伝える本。「短編小説は礼儀正しい。なぜなら長くお邪魔しないから。つまらなかったとしても、そういう考えもあると心に留めておくだけでOK」←タイパ社会に刺さるメッセージ!著者は父から薦められた『二宮金次郎』より、父の書棚からこっそりみた『世界裸体美術全集』の方がすごい鮮明に覚えていると言う。興味をもって自ら手を伸ばすことが大事!ジュニア向け新書なのに一章まるごと松本清張をごり押し!さすが阿刀田先生!週末はコーヒーと銭湯とビールと松本清張があれば十分楽しめる!←激しく同意(笑)!2024/08/02
spica015
8
短編小説を取っ掛かりとして、読書の楽しみ方を教えてくれるエッセイ。短い分、どんどん新しい作品に挑戦することができるし、読んでそこから何かを得ようとしなくてもよい、というスタンスが素晴らしい。翻訳小説が好きで色々読んできたが、日本の小説も面白そうな短編が沢山揃っていることに気付いた。特に中島敦の作品は舞台を日本に限っておらず、ユニークなものが多そうなので読んでみたくなった。後は志賀直哉の『赤西蠣太』。浄瑠璃っぽい話と思ったら、「伽羅先代萩」の基となった伊達騒動のことを描いているのか。これは是非読まねば。2016/07/12
mizzan72
6
短編小説を題材に、少年少女に読書の勧めを説いた一冊。幅広いジャンルが取り上げられているが、少年少女に読みやすく、という配慮からだろうか、ミステリー系が多い。大人になってから、とんと読まなくなってしまったジャンルだが、松本清張を久しぶりに読みたくなったな。各小説の要約が、意外に文章を書く勉強になる。2015/02/23
藤花@ママライフ奮闘中
6
ミステリ愛好家がホームズを読むと「ああアレね」とトリックが分かってしまうように、阿刀田氏のエッセイに慣れ親しんだ者にはお馴染みの話題かも。阿刀田氏に感化され中島敦やチェーホフを読み漁った日々が懐かしい…。今度は山本周五郎を読んでみようかしらん。2014/03/15
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