出版社内容情報
沖縄を苦しめていた害虫ウリミバエは,不妊虫放飼法によって根絶され,害虫には殺虫剤という常識は覆された.基礎である生態学を忘れず,虫の大量飼育という実践上の難問に取り組んだ著者らのチームワークが,これを成功させた.
内容説明
沖縄へ侵入した害虫を、殺虫剤にたよらずついに根絶、南の作物の自由な流通をとりもどした著者たちのチームの苦闘の物語。その達成には、生態学という基礎学問を常に忘れず、世界でも成功例のほとんどなかった方法を自分たちの手で研究し、開発し、億単位にのぼる虫の「生産」をなしとげねばならなかった。
目次
第1章 殺虫剤万能からの脱出―まえがきにかえて
第2章 ウリミバエとは?不妊虫放飼法とは?
第3章 伊藤、沖縄へ
第4章 垣花、ミバエ研究のスタッフに
第5章 虫の大量増殖―週100万匹の成功へ
第6章 久米島ウリミバエの根絶―開始から成功まで
第7章 「大ウリミバエ工場」の設計へ
第8章 国際交流の成功
第9章 超大量増殖―宮古・沖縄諸島への不妊虫放飼に向けて
第10章 ウリミバエの配偶者選択と精子競争
第11章 宮古・沖縄・八重山諸島からのウリミバエ根絶―事業は終了か
第12章 農薬の使用を減らすには:基礎と応用―あとがきにかえて