出版社内容情報
和歌は日本独自の抒情詩として時代を越えて人びとに詠まれ,親しまれてきました.みずからも歌人である著者は,万葉集,古今・新古今集をはじめ上代から近世におよぶ代表的な和歌集から秀歌を豊富にえりすぐり,一首の味わいをあますところなく伝えます.和歌の鑑賞,古典の勉強にまたとない手引きです.
内容説明
和歌は日本独自の抒情詩として時代を越えて人びとに詠まれ、親しまれてきました。みずからも歌人である著者は、万葉集、古今・新古今和歌集をはじめ上代から近世におよぶ代表的な歌集から秀歌を豊富にえりすぐり、一首の味わいをあますことなく伝えます。和歌の鑑賞、古典の勉強にまたとない手引きです。
目次
1 万葉の抒情
2 王朝のあわれ
3 中世の艶
4 近世のまこと
和歌史の流れ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
syota
32
万葉の昔から幕末まで100人の歌人を収録している。現代語訳が懇切丁寧で、歌人の紹介も事実の羅列にとどまらず、それぞれの苦悩や和歌史上における位置づけにまで踏み込んでいて、非常に参考になった。「万葉の抒情」「王朝のあわれ」「中世の艶」「近世のまこと」という各章のタイトルも絶妙で、通読すると和歌の変遷、各時代の特徴を実感することができる。落日の貴族社会で最後の輝きを放った京極派の歌人や貴族社会とは無縁の江戸時代の歌人など、今まで知らなかった新古今以後の歌人たちに触れることができたのも大きな収穫だった。2019/09/21
おおた
12
学生時代に勉強として読む和歌と、大人になって数々の失敗を経て美しい景色を見てから読む和歌はちがう。「夕されば野べの秋風身にしみてうづら鳴くなり深草の里」なんて、学生は秋風身にしみたりしないからわかりません。体温高い連中には分からない歌がある。まして都会で生まれて山は電車の彼方に見えるだけ、という方には「宿りして春の山べに寝たる夜は夢のうちにも花ぞ散りける」なんて上野公園の酔っぱらいにしか詠めないかもしれません。だからこそ、大人になってからこのジュニア新書でもう一度和歌の美しさに気づくといいかも。2016/03/26
みっちゃんondrums
8
仕事の資料として。2017/04/10
てくてく
3
近世までの有名な和歌を取り上げ、それが詠まれた背景や詠んだ人とともにその歌を説明している。読みやすい本だった。2014/09/05
wanted-wombat
0
和歌を読む、というと「訳」は何かと考えてしまうのは受験勉強の弊害だと感じる。本書は和歌の読み方というより、楽しみ方を教えてくれる本だと思う。どういった意味なのかという訳も書かれてはいるが、和歌の本文を読み、どういった状況で書かれたものなのかという解説を読むことで理解が深まる。そういった意味でも、訳は読まないで本文だけを読み、和歌そのものを楽しむのが本書のいい読み方ではないかと思います。2014/03/07
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- 和書
- 教育の原点